【俳優・中島歩が纏う】品格と軽やかさ──チャーチが映し出す、英国靴の新しい表情

  • 写真(人物):TISCH(MARE)
  • 写真(静物):青木和也
  • スタイリング:飯垣祥大
  • ヘア:AMANO
  • 編集&文:倉持佑次
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英国を代表するシューズブランドのチャーチは、伝統を受け継ぎながら、現代の感性によってその姿を磨き続けてきた。構築的で端正なフォルムに息づく、控えめなモダンさが時代を超えて愛される理由である。その“品格と軽やかさ”を、俳優・中島歩が纏った。

俳優・中島歩が纏う、クラシックに息づく現代的な感性

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中島 歩(なかじま・あゆむ)⚫︎1988年生まれ、宮城県出身。2013年に舞台「黒蜥蜴」で俳優デビュー。以降、映画やドラマなど幅広く活躍。2026年放送のテレビ東京「俺たちバッドバーバーズ」で主演を務め、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」への出演も控えている。
シューズ「メイフェア」¥335,500(予定価格)/チャーチ(チャーチ クライアントサービス) その他は私物

ロンドンの洗練を映すクラウンコレクションの「メイフェア」は、チャーチの緻密なクラフトマンシップを体現する一足。58日におよぶ工程を経て仕立てられたレースアップ・オックスフォードで、手染めとステッチがその輪郭を引き締める。深みのあるブラウンレザーには、オリーブトーンの装いが好相性。質感の異なるヌバックジャケットとモヘアニットが靴の上品さを際立たせ、クラシックに現代的な空気を感じさせる。

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シューズ「コンサル」¥192,500(予定価格)/チャーチ(チャーチ クライアントサービス) その他は私物

1945年の誕生以来、英国紳士に愛されてきた「コンサル」。上の写真の一足は、伝統的なラスト173が生む均整の取れたフォルムと、ブリーチ加工による穏やかな濃淡が魅力だ。磨き上げられたバーガンディカーフの艶が、堅牢なつくりの中に柔らかな表情を生む。白からベージュ、バーガンディへと穏やかに移ろう色の流れが、足もとの靴を一層際立たせる。長く履くほど艶を深め、装う人の知性とともに時を重ねていくはずだ。

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シューズ「ハムステッド」¥341,000(予定価格)/チャーチ(チャーチ クライアントサービス) その他は私物

漆黒のカーフに静かな光を宿す「ハムステッド」の一足は、チャーチが追求するエレガンスの現在形。58日におよぶ工程で磨かれたカーフの滑らかな質感と、構築的なフォルムが足もとに緊張感を生む。ロングコートとセンタープレス入りのデニムで全体のトーンを整え、ボルドーのソックスを差し色に。控えめな装いの中で、靴の存在感が静かに浮かび上がる。時を超えても色褪せない、正統の美を宿している。

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伝統を磨き、現代を歩くための靴たち

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シューズ「ホエーリー」¥157,300(予定価格)/チャーチ(チャーチ クライアントサービス)

フォーマルという確立された領域においても、チャーチは新しい解釈を探り続けてきた。職人の技と素材の選定を軸に、そこに時代の感性を重ねることでクラシックを更新している。「ホエーリー」は、格式とモダンを融合させたイブニングシューズの到達点。パテントレザーの艶が放つ存在感と、スクエアトゥが描く端正な輪郭。タキシードに合わせても硬さはなく、グログランの縁取りが控えめなアクセントとして映える。

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シューズ「オールドフォード」¥203,500(予定価格)/チャーチ(チャーチ クライアントサービス)

一枚革のパテントレザーから生まれる「オールドフォード」は、静かな緊張感をまとうホールカット・オックスフォード。ブラインドアイレットとコットンレースが生むミニマルな表情が、フォーマルに新鮮な余白を与える。ヒールに埋め込まれた小さなメタルプレートは、クラシックの裏に潜むモダンな遊び心。わずかに反射する光沢や滑らかな曲線が、洗練された立ち姿を引き締める。足もとから品格を漂わせる靴だ。

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シューズ「ハートフォード R 2.0」¥165,000(予定価格)/チャーチ(チャーチ クライアントサービス)

チャーチが誇るグッドイヤー2.0製法によって生まれた「ハートフォード」は、柔軟性と上質感を兼ね備えるローファー。ペニーシューズの伝統を踏まえつつ、軽量ラバーソールによって履き心地を大幅に高めた。スーツにも休日の装いにも馴染み、革靴らしい品を残しながらも軽やか。素足で履いても美しく見えるバランス感が、現代の紳士にふさわしい“力の抜けたエレガンス”を体現する。

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スリッパ「エアートラベル」¥102,300(予定価格)/チャーチ(チャーチ クライアントサービス)

旅先でも足もとに品格を保つスリッパが「エアートラベル」だ。極上のナッパレザーが足を包み込み、キルティング入りのインソールが柔らかな履き心地をもたらす。付属のポーチで持ち運びも容易にし、ホテルや機内でも快適さを失わない。わずかに光沢を帯びた黒のレザーが上品さを添え、室内履きでありながら外出時の装いにも自然に溶け込む。実用と美を両立させた、旅の相棒にふさわしい一足である。

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靴づくりの哲学が宿る、革小物とチャーム

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長財布¥108,900、カードケース各¥68,200、ペンケース¥44,000(すべて予定価格)/すべてチャーチ(チャーチ クライアントサービス)

チャーチのクラフトマンシップは、靴にとどまらず、日々の道具にも息づいている。手に取るたびに質感の奥行きを感じさせるのは、素材の選定から仕立てまで一貫した姿勢があるからだ。上質なレザーを使い、縫製やコバ処理にも妥協がない。カードケースからポーチまで、機能と美意識を備えたデザインが日常に上質感を添える。使うほど艶を増し、手に馴染む時間さえチャーチの美学の一部となる。

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ドキュメントケース¥156,200(予定価格)/チャーチ(チャーチ クライアントサービス)

シボ革の自然な表情が際立つドキュメントケース。持ち運びやすいコンパクトサイズに、無駄を削ぎ落としたフォルムが宿る。手にした瞬間の柔らかさと密度が、職人の技を雄弁に語る。内側には滑らかなライニングを施し、書類やデバイスを守る配慮も行き届いている。手元に置くだけで空間が整うような佇まいは、働く男の美意識そのもの。ビジネスにもオフにも馴染み、静かな存在感を放つ。

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チャーム各¥68,200(予定価格)/すべてチャーチ(チャーチ クライアントサービス)

傘やクロッケ、テニスなどをモチーフにしたチャームは、チャーチの遊び心を映す小さなオブジェ。ナッパレザーとメタルの組み合わせが上品な立体感を生み、バッグや鍵に軽やかな彩りを添える。ミニチュアながら造形は緻密で、細部の仕上げにまで職人の技が息づく。シンプルなバッグのハンドルに揺れるだけで、洗練の余韻を漂わせる。機能を超えたクラフトの愉しみが、手のひらの中に凝縮されている。

チャーチの詳細はこちら

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時を超えて続く、英国クラフトの精神

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チャーチというブランドの歴史を辿ると、そこには職人の技だけでなく、変化を恐れず歩みを進めてきた確かな意志が見えてくる。時代が移り変わっても、ものづくりの核は揺らいでいない。1873年、トーマス・チャーチとその三人の息子によって英国ノーサンプトンに設立されたこのブランドは、17世紀から続く家業の靴づくりを礎に、精緻な手仕事と機能美を融合させたシューズを生み出してきた。やがて英国靴の代名詞として世界に名を広め、1957年に建てられた工場はいまも本社として稼働を続けている。65年には英国女王賞を授与され、伝統と格式の象徴として、その名を不動のものにした。長い歴史の中で、クラシックを守りながらも新しさを受け入れる姿勢こそ、チャーチが歩んできた道そのものだ。

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1999年、プラダグループとの提携を経て、チャーチは新たな時代へと舵を切った。効率化やマーケティング改革を進めながらも、英国的クラフトマンシップを決して手放すことはなかった。熟練の職人による伝統技術に、モダンなデザイン性と国際的な感覚を融合させることで、ブランドはさらなる成熟を遂げたのである。いまやチャーチは、クラシックを礎にモダンを纏う存在として、靴からレザーグッズ、ライフスタイルへと世界を広げている。変わらぬ信念を胸に、時代の感性とともに進化を続ける。その歩みこそが、英国クラフトの未来を静かに照らしている。

チャーチ クライアントサービス

TEL:0120-80-1873

www.church-footwear.com