【京都の和カフェ】山中に佇む「無碍山房」で、名物の“高級抹茶アイス特盛り三段重ね”を食す

  • 写真・文:一史
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これはパフェ……なのか??
メニューの名称は「無碍山房 濃い抹茶パフェ」。
もちろん紛れもなくパフェなのですが、食べた実感をそのまま言い表すならこのスイーツは、
「トッピング添えの、特大抹茶アイス三段重ね」。
とにかくひたすら、高級茶葉をふんだんに使った抹茶アイスを食べ続けます。
抹茶アイス好きには夢のごとくゴージャスなスイーツ。
その一方でパフェに様々な味覚を求める人からは、「同じアイスばかりでトゥーマッチ」という意見も出そうな両刃の剣。
この振り切ったバランスが楽しい食体験でした。

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2025年11月の京都旅でようやく行けた、観光ガイドに必ず載る有名カフェ「無碍山房 Salon de Muge(むげさんぼう サロン ド ムゲ)」。
庭を眺めつつ、抹茶パフェやわらび餅に舌鼓を打つ店。
入店もままならないほどの女性人気との評判に恐れおののき、気になっていつつもこれまで足を運びませんでした。

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ただ11月上旬の曇り空の平日に、「席取れそうな予感がする」と根拠もなく山を登って行ったところ、スムーズに入店できたうえに窓際のカウンター席をひとりで独占。
(ランチの食事を除き予約不可の店です)
東京に戻る日の疲れてきた夕方に、庭を眺めつつ穏やかな旅を振り返ったひとときになりました。

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メイン部屋のテーブル席はほぼ埋まり、客の8割が海外観光客という印象でした。
(西洋、アジア、その他混在)
日本人かつ男ひとりはわたしだけで、メイン部屋と別に設置されたカウンター席スペースを占有できたのは嬉しかったですね。
静寂を楽しむ空間になりました。
「カウンター席を好む人は少ないのですが、いまの時間ですとこちらのほうが庭を眺めやすいかもしれません」
そのように若い女性店員さんが説明してくれました。
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神社仏閣の整備された枯山水とも、手入れがいき届いた町家の坪庭とも異なる、やや雑然としたナチュラルな庭。
ここは実は山中なのです。
店名の「山房」の名の通りに。
京都市でのエリアは清水寺や祇園がある東山に位置します。
最寄り駅だと「祇園四条」になりますが、徒歩だと20〜30分見るとよさそう。
この不便な場所にあることが、京都のカフェ巡りの醍醐味ともいえます。

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多少価格が高くても、周辺の古都の風情を味わう体験込みと思えば納得できます。
無碍山房の高級な打ち出しは、「ミシュラン・ガイド京都・大阪2024」で三ッ星に輝く料亭「菊乃井」のカフェ部門という出自にもあるでしょう。
京都市内では「京都高島屋」にもイートインの無碍山房があります。
スイーツを食べる目的だけならアクセスしやすいこちらを選ぶ手も。
ただ初めて訪れる人は山中に足を運ぶのがいいでしょうね。
ここでの記憶を追体験したいとき、次に百貨店に行くのがよろしいかと。

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食後に温かなお茶が提供され、冷え切ったお腹が温まりました。
ドリンクなしのパフェ単品でオーダーしたのですが、これでよかったと思っています。
ひたすら抹茶アイスと向き合う真剣勝負!
映える見た目を切り崩し、豪快にスプーンを突き刺していきました。
もうアイスの味しか覚えていないですね w

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住んでいる東京で、取材仕事以外でカフェに行くことはありません(一部のコーヒー店を除く)。
店内がどれほど素敵でも、一歩外に出ると都会の喧騒に心が乱されるからです。
店にいるわずかな時間しか心地よくなれないのが残念で。
人の出入りが激しく慌ただしいのも、行く気になりにくい理由のひとつ。

京都は店に行くまでの道のり、店を出て散策するときも、心がずっと穏やかなまま。
歩くたびに和の伝統に出会い続けます。
和建築のいい店で時間を過ごすと感受性が豊かになり、その後に眺める屋外風景にも異なる目線を向けられます。
この「京都カフェ」の至上のひとときを求めて、ついこの地を訪れてしまうのです。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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