大規模なハリケーン「メリッサ」が、カリブ海諸国に深刻な被害をもたらした。記録的な高潮や暴風雨の様子をとらえた映像がSNSに出回っているが、なかにはAIが生成したフェイク動画もあり、複数の海外メディアが警告している。
洪水にのって市街を“泳ぐ”サメ
TikTokで拡散されているある動画では、洪水に沈んだ街を、水の流れに逆らうように大きなサメが泳ぎ、住民が驚きの声をあげている。投稿文ではジャマイカで撮影したとされているが、真偽は不明だ。
Xに投稿された別の動画には、高潮で水があふれた海沿いのプールの中に、複数のサメが悠々と泳ぐ姿が映っていた。投稿文に「ハリケーン・メリッサが通過した後、ジャマイカのリゾートプールで複数のサメが泳いでいるのが目撃された」と書かれている。
どちらも精巧にできているが、AIが生成したフェイク動画だ。
メリッサの「台風の目」を飛行機の中から撮影したとされる動画も拡散されたが、BBCがこれをフェイクだと判定している。
AI生成でなくとも、過去のまったく別の災害の様子をメリッサの被害として掲載している投稿も多い。
これらのフェイク動画の中には、数百万回の再生数を記録しているものもある。
フェイク動画、見破るには?
こういった動画には、「Sora」やその他AI動画生成ツールのロゴが画面端に入っているか、透かしを消した形跡(ぼけや歪み、変色など)がある。またサメの動画の場合、よく目を凝らすと動きや形が不自然だ。
ウェブサイトの信頼性を評価し、ネットに流れる偽情報を分析するNewsGuardのシニアエディター、ソフィア・ルビンソン氏はAP通信の取材にこう答えた。
「Soraのような手軽に入手できる強力なツールの台頭により、極めて説得力のある合成動画を悪意をもって作成・拡散することがさらに容易になっています」
「以前は動きが不自然だったり、文字が歪んでいたり、指がおかしかったりといった特徴的な(AI生成の)兆候があり、見分けることができました。しかし、システムが進化するにつれ、このような欠陥の多くが消えつつあります。一般のユーザーがAI生成コンテンツと本物の映像を区別することが、ますます困難になっているのです」
メリッサの深刻な被害
記録的な勢力でカリブ海諸国を襲ったメリッサ。約150万人が被災、合わせて約50人が亡くなっており、特にジャマイカ西部の被害が深刻となった。
ブラックリバーやホワイトハウスなど沿岸部の街はほぼ壊滅状態なうえ、多くの道路ががれきでふさがれているため援助が困難になっている。電力や水道などの生活インフラが止まるなか、世界食糧計画(WFP)などは食料支援を強化している。
日本の外務省もジャマイカからの要請を受け、国際協力機構(JICA)を通じ、テントやスリーピングパッド、ポリタンク等の物資を緊急援助することを決定した。
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@trini.man47 this is crazy yo this a killer #whiteshark swimming through the floodly #water street in #jamaica during the #hurricane ♬ original sound - Follow Me
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🚨#Unbelievable 🚨
— Masked Man (@MaskedMan1947) October 28, 2025
After Hurricane Melissa swept through, multiple sharks were seen swimming in a Jamaican resort pool. 🦈🐋🐠⁰The hurricane’s immense power was so destructive it pulled marine life far inland.#Jamaica #hurricane #HurricaneMelissa #BREAKING
PS: Video non… https://t.co/Ecf800gWLY pic.twitter.com/gA0MOxEWzc
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