【お洒落なSDGs】再生糸×障害者福祉施設×手編み、Uknitiニットのポップアップショップ!

  • 写真・文:一史
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画像提供:ユニティ
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画像提供:ユニティ

ゆらぎのある造形がスタイリッシュなニット。
膨大な数の糸を編み込み、ほつれさえもデザインの一部に。
遊牧民のようであり、真逆の都会的なものでもあり。
トーンを統一させたモードな仕上がり。
触れると気づく、どこまでもソフトな高級感。
ニットでしかできないストーリーを秘めたブランド、ユニティ(Ukniti)。

皆さんは写真を見てどう感じましたか??
これ、ありそうでない凄いニットなんです。
ニット好きの人なら実物を見ると「手編みだ!」とすぐわかるでしょう。
ヨーロッパのファッションブランドのアトリエで編まれたようなカッコよさ。
思わず手に取ってしまうパワーがあります。
色彩のセンスが抜群なんですよね〜。

しかも、
世界に一着のオーダーニットなのです。
上の写真2点はオーダーサンプル。
色は色見本(編み見本)で選び、サイズはオーダーする人に合わせた選択が可能。
これで価格が10万円前後なのは、この手の服の相場を知る人なら格安と感じるはず。

このユニティをオーダーできるポップアップショップが、
11月6日(木)〜8日(土)までの3日間、渋谷のイベントスペースで開催されます。
時間は、12時~22時(19時からは手編みのコミュニティタイム)。
住所は、東京都渋谷区渋谷4-5-6 トキワビル 402号室。
アポイント不要。
今週の予定をリスケしてでも行きませんか??
ユニティのインスタアドレスも載せときます。
https://www.instagram.com/ukniti/?g=5
コピペでご覧なさっていただければ。

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ちなみに……というか実はここがこのブランドの真髄でもあるのですが、ユニティのニットの糸はほぼすべて再生糸です。
アパレルメーカーが高級糸でつくったニットのサンプルを譲り受け、ほどいて一本一本の糸に戻し繋ぎ合わせた再生糸で編んでいます。
「ニットは糸一本まで再生できるSDGsな服」と言われますが、まさにこの考え方を体現しているんですね。

さらにもうひとつ、ユニティの活動の根幹を成す大きな挑戦があります。
それはニットの解体、糸の繋ぎ合わせ、巻取りまで障害者福祉施設で行っていること。
施設に通う人たちがニットに編む前の工程を手掛けています。

ブランドを運営する人物は、ファッション専門学校でニットを学んだ伴真太郎(ばん・しんたろう)さん。
独自のSDGsなニットづくりの構想を練り、自ら職員として2年ほど施設に勤務。
沖縄から北海道までの施設を巡り歩き、約10施設の参加を実現させました。
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東京・杉並区の施設にて、巻き取った毛糸玉を手に取る伴さん。
毛糸玉はポップアップショップで販売され、編み物ブームのいま若い手芸ファンたちが購入していきます。
(ブームの火付け役は韓国ガールズグループ、ルセラフィムの日本人メンバーの宮脇咲良がプロ級の手芸を披露したことらしい)

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ニット製品をほどいて糸に戻したものは短く縮れています。
一本一本の先端を手で結んで繋ぎ合わせ、巻き取りスチームアイロンで伸ばして、新しいニットを編める糸の状態にまで復活させます。

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社会福祉法人いたるセンターが運営する「あけぼの作業所」での仕事風景。
伴さんと一緒に施設を訪れ、撮影させていただきました。
伴さんの母校である文化服装学院から依頼された卒業生の活動紹介の企画です。
ここに先行公開したのは10月31日(金)に訪れたときの様子。

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明るい人はめっちゃ明るい w
逆に静かな人はめっちゃ静か。
いろんなタイプの人がいて。

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伴さんがSDGsなユニティをつくったのは、イタリアのニット糸を販売する仕事をするようになってからでした(いまも続けています)。
彼いわく「素材の見本市でイタリア人が力を入れているエコな糸に、日本のアパレル関係者があまり興味を持たないことに残念な気持ちがありました。イタリア人から『日本人にこの素材の評判はどう?』と聞かれて、何も答えられないことが悔しくて。社会活動家でもない自分がサステイナブルなものづくりを追求するようになったのは、そんな現状を打破したかった思いが大きいです」

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画像提供:ユニティ

ユニティのニットはカッコいい。
手触りがよくラグジュアリー。
着たくなる美しさ。
複雑な制作プロセスと、そこで出たノイズをデザインにまで高め上げたブランド。

6日からのポップアップショップでは小物類やラグも並びます。
服は女性向けが主流になりそうですが、ユニティの実物に触れられる貴重な3日間をお見逃しなく!

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。