創造の現場でクリエイターたちとともに“時”を刻む腕時計。そこには、日々をどう生きるかという哲学と美意識が宿っている。NHKの朝ドラや大河ドラマなどで活躍してきた俳優・大野拓朗は事務所から独立した節目に、IWCシャフハウゼンの腕時計を手にした。“人生の相棒”ともいえる一本に込めた想いを語ってくれた。
2025年は腕時計の“名作”が改めてフォーカスされた1年であった。そして、名作と呼ばれる腕時計には、一つひとつの物語がある。時代を超えて受け継がれる100本の腕時計、その“物語”を読み解いていこう。
『未来へ受け継ぐ 名作腕時計、100の物語』
Pen 2025年12月号
大野拓朗 × IWCシャフハウゼン「ポルトギーゼ・クロノグラフ」
大野拓朗●俳優。1988年、東京都生まれ。俳優として数々の映画やドラマ、舞台などに出演。11月14日〜12月2日まで東京グローブ座にて上演の『すべての幸運を手にした男』に出演予定。
年齢を重ねても、似合う人間であり続けたい
大野拓朗が愛用するのはIWC「ポルトギーゼ・クロノグラフ」だ。30代を迎えて事務所を退所。独立後の人生をともに過ごす一生モノを求めて、5年ほど前に手に入れた。派手さよりも静かな品格を好む大野にとって、ロゴを誇示しない佇まいが感性にしっくりくると語る。
「クラシカルな雰囲気を纏った革ベルトの当時の現行モデルで、クロノグラフなのにシンプルなデザインに惚れました。スタイルを選ばず、スーツでもカジュアルでも品よくまとめてくれる。そんな万能なところもいいですね」
舞台を観劇する際には、上演中に時間を見ながら構成を考えることもある。自宅では付属のレザーボックスへていねいに収納するのが日課で、使う時もしまう時も、その手つきに愛着がにじむ。
「どんな人生を送るかによって、この時計を着けた時の見え方が変わっていくと思います。だからこそ、これに似合うような、穏やかで誠実な生き方をしていきたい」


