2025年もさまざまなブランドから多くの新作が誕生したが、そのなかから今年を代表する3本をPen編集部が厳選! ブレゲ、ジャガー・ルクルト、ロレックス——時を超えて受け継がれる3本の腕時計を紹介しよう。
2025年は腕時計の“名作”が改めてフォーカスされた1年であった。そして、名作と呼ばれる腕時計には、一つひとつの物語がある。時代を超えて受け継がれる100本の腕時計、その“物語”を読み解いていこう。
『未来へ受け継ぐ 名作腕時計、100の物語』
Pen 2025年12月号
2025年の新作から、新旧のDNAを宿す3本を厳選
右から、ブレゲ「クラシック スースクリプション 2025」、ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート モノフェイス・スモールセコンド」、ロレックス「オイスター パーペチュアル ランドドゥエラー 40」。
今年創業250周年となるブレゲが発表した1本針の腕時計は、初代アブラアン-ルイ・ブレゲの発明や多大なる功績とともに、フランス革命を経て懐中時計が市民へと広がる史実をも内包する。
また2025年は、アールデコ博と呼ばれ、その後のデザイン潮流や芸術運動に大きな影響を及ぼした1925年のパリ万博から100年の節目となる。ジャガー・ルクルトの「レベルソ」は、ポロ競技から生まれたスポーツのDNAを宿しながらも、アールデコの芸術運動と呼応する中で、ツールウォッチの役割から脱却し、機能性と装飾性が調和した造形美を腕時計にもたらした歴史をいまに伝える。
一方で、ロレックスは13年振りとなる待望の新コレクションを発表し、新たな1ページを開くなど、未来へ向けた新しい名作も生まれてきている。
1.ブレゲ「クラシック スースクリプション 2025」
創業250周年を祝う記念モデルの第1弾。創業者アブラアン-ルイ・ブレゲがフランス革命後の1797年頃に、代金の1/4を前払いして予約(スースクリプション)を受け付けるという当時では画期的であった販売システムとともに発表した、1本針の懐中時計にオマージュを捧げる。グラン・フー・エナメルの艶やかな文字盤に、新開発した独自の合金素材“ブレゲゴールド”製ケースを合わせ、ブレゲの過去と現在、そして未来をつなぐ。
2.ジャガー・ルクルト『レベルソ・トリビュート モノフェイス・スモールセコンド』
初代「レベルソ」が誕生したのは1931年。レクタンギュラーケースやケース上下のゴドロン装飾、ダイヤル外周に敷かれた角形のレイルウェイミニッツトラック、先端を尖らせたバーインデックスなど、アールデコの正統なデザインコードを継承しながら、今年、ミラネーゼブレスレットを纏い一新した。ポロの競技中にも着けたままでいられる腕時計をという要望から生まれた反転式のケースは、裏面をキャンバスに、エングレービングで自由な図柄を描ける。
3. ロレックス「オイスター パーペチュアル ランドドゥエラー 40」
2025年、ロレックスの歴史に新たな一章を刻む新コレクションが誕生。「シードゥエラー」「スカイドゥエラー」に続く、陸海空の三部作が満を持して揃った。1969年の「ロレックス クォーツ」や74年の「デイトジャスト」を再解釈した、ブレスレットが一体化したようなデザインに、同社初の毎時3万6000振動の最新鋭ムーブメント「Cal.7135」を搭載。新開発の脱進機「ダイナパルス エスケープメント」をはじめ、最先端のテクノロジーを詰め込んだ。

