「大人の名品図鑑」ローファースニーカー編 #3
「ローファースニーカー」と呼ばれる新しいタイプの靴が人気を集めている。革靴が持つ正統的な佇まいに、スニーカーのような快適な履き心地を融合させた、まさに現代のカジュアルシーンを象徴する一足だ。今回は、今後の進化にも期待が高まる“新世代の名品靴”を紹介する。
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アウトドア発、街で映えるスポーツサンダル
同連載「大人の名品図鑑」では2025年8月〜9月にかけて、“サンダルの名品”を紹介してきたが、今回取り上げるシャカは、その中でも「スポーツサンダル」と呼ばれるジャンルで高い評価を得ているブランドだ。スポーツサンダルとは、アウトドアやアクティブなシーンで快適に履けるようデザインされた機能的なサンダルのこと。フィット感を調節できるベルクロストラップや、グリップ力・クッション性に優れたアウトソールを備え、さらにファッション性も高いのも特徴で、近年では年齢や性別を問わず、アウトドアシーンだけでなくデイリーユースでも愛用する人が増えている。
シャカは1990年代、南アフリカで誕生した。当初は当地に工場を構え、アフリカの伝統柄を取り入れたサンダルを数多く生産。アウトドアファンの中には、いまでもシャカの旧モデルを探す人が多いと聞く。「シャカ」というブランド名から“釈迦”を想像する日本人もいるかもしれないが、実はアフリカのズールー族王「シャカ・ズールー」に由来している。創業当時のロゴマークに盾や槍が描かれていたのも、そのためだろう。
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南アフリカに生まれ、日本で進化したシャカ
1990年代後半には日本でも輸入され人気を博したが、2000年代初頭に一度ブランドは姿を消す。しかし2013年、日本企業がその権利を取得し、シャカは復活を遂げた。往年のデザインを受け継ぎながら、現代的な機能を取り入れたモデルを次々と展開している。「ハイカー(HIKER)」は創業当時からのモデル名だが、復活後の「ハイカー」は、足首・甲・かかとの3点でフィット調整できるベルクロ仕様のグラディエーター風デザインへとアップデート。女性を中心に支持を集め、ブランドを象徴する一足となった。
そして2023年、ブランドは再びリニューアルを実施。従来の“ファッション×アウトドア”に加え、「旅」をテーマに掲げた新コレクションを始動させた。旅には長時間の移動や歩行がつきものだ。そこで、より軽く、疲れにくい靴を開発するため、メゾンブランドにもソールを提供するイタリアのEXTRALIGHT社と共同開発した「EXソール」を採用する「EX SOLE」シリーズを発表し、注目を集めている。
また、近年はサンダルとスニーカーの中間的な“スニサン”とも呼べるモデルにも注力しており、今回紹介するローファースニーカー「BLK METEOR LOAFER SXL」も、その延長線上で誕生した一足と考えていいだろう。
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旅を支える、軽くて強いローファースニーカー
今回紹介するモデルは、クラシックなローファーに、スニーカーの快適な履き心地とモダンな雰囲気を融合させた一足。ナイロンをはじめとした異素材をミックスしたアッパーの凝ったデザインが際立つ。黒一色で統一した「トリプルブラック」カラーは、カジュアルからモードまで幅広いスタイルに対応する。さらに、アッパー裏面には防水フィルムを備え、水に強い仕様に。雨の多い日本でも頼れる存在だ。
ソールにはEXTRALIGHT社のサステナブルタイプを採用。リサイクルチップを混ぜ込んだ凹凸のある独特な意匠で、軽量性・クッション性・グリップ力を兼備する。長時間歩いても疲れにくく、まさに“旅靴”にふさわしいローファースニーカーへと仕上げられている。
この一足さえあれば、旅のどんなシーンにも、どんな天候にも対応できる。街歩きやカフェはもちろん、旅先のレストランでも堂々と履ける洒脱さ。シャカが長年磨いてきた快適性と機能美、そしてファッション性が凝縮された、渾身のモデルだ。
ブルームーン カンパニー
TEL:03-3499-2231
https://shaka-jp.com
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