キャンプがもっと自由になる。ブロンプトン、新時代の折りたたみ自転車『G Line』登場

  • 文:青山鼓
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サドルかハンドルを伸ばせば、折りたたんだ状態でも移動が可能だ。

キャンプ場で、折りたたみ自転車に乗っている人を見かけた。テントから自転車を出して、そのまま湖畔をスイスイ走っていく。朝もやの中でペダルを漕ぐ姿がめちゃくちゃ気持ちよさそうで、「ああ、いいな」と思った。流れる景色をゆっくり楽しみ、きれいな空気を堪能する。徒歩でもジョグでも、クルマでも味わえない、自転車だけが持っている気持ちよさがある。

車に積んできて、キャンプ場周辺を探索するという選択肢は、アウトドアの遊び方の幅を広げてくれる。だったらギアにこだわるみたいに、キャンプ向きの自転車っていうのがあってもいい。でも、マウンテンバイクはちょっと自分にはハードな印象。クルマに積むのも大変だし。

で、ブロンプトンが新しく発売した「G Line」が、まさにそういう使い方を狙っている(と思った)。聞けば、ブロンプトンは創業50周年なのだそう。この新モデルが現行モデルに対し、かなり大胆なアップデートを加えていて興味深い。

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20インチタイヤなら、舗装されていない道もスムーズに走れる。

まずタイヤは現行モデルまで16インチだったが、G-Lineは20インチタイヤを装着。そして、ブロンプトン史上初の油圧ディスクブレーキを搭載。これは、クラシックなムードが魅力のひとつだったブロンプトン好きの間では、きっとちょっとした事件だと思う。

油圧ディスクブレーキというのは、油圧でディスクを挟むタイプのブレーキシステム。マウンテンバイクとかでは当たり前になっているやつだ。ワイヤーで引っ張ってブレーキシューをホイールに押し付けるんじゃなくて、オイルの圧力でブレーキパッドがディスクローターを挟み込む。簡単にいえば、より軽い力でもガツンと効く。

どうしてこれが事件かと言うと、ブロンプトンというのは「変わらないこと」が魅力だったからだ。1975年から基本的な形はほぼ同じ。小径のタイヤで、スピードを出すことなんて放棄したようなスタイルだからリムブレーキ(ホイールの縁を挟むタイプ)で十分だったし、それがブロンプトンらしさでもあった。

でも実際のところ、油圧ディスクは本当にありがたい。リムブレーキだと、雨の日は「止まるかな……」ってちょっと不安になることがある。特に下り坂。握力全開でブレーキレバーを握っても、ジワーッとしか効かない。それが油圧ディスクなら、指2本でもカチッと止まる。

「油圧のメンテ、難しいんじゃない?」って心配する人もいるかもしれない。正直、エア抜きとかオイル交換は自転車屋さんに任せた方が無難。でも普段のメンテはパッドの減りをチェックするくらいで充分。走っていると伸びてしまうワイヤー調整がいらない分、むしろ楽かもしれない。そもそもブロンプトンを買う人は、定期的に自転車屋さんでメンテしてもらう人が多いから、そこまで心配しなくていいと思う。

20インチホイールも理にかなっている。16インチだと大きい衝撃を感じる段差も、20インチならもう少しスムーズに乗り越えられる。キャンプ場の砂利道とか、河川敷のデコボコ道とか、そういうところでも安心して走れるはずだ。

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ギア比/レンジは307%だ。

内装8段変速(Shimano Alfine)も賢い選択。チェーンが外れる心配がないし、泥や砂が入っても大丈夫。これもメンテが楽。アウトドアで使うなら、こういうタフで手間がかからない仕様の方がいい。

面白いのは、購入者に抽選でヘリノックスのコラボチェアをプレゼントするキャンペーン。ヘリノックスといえばキャンプ用品の定番ブランドの一つ。つまり「この自転車、キャンプに持っていってね」という明確なメッセージだ。

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ヘリノックスのベーシックなモデルとも言えるコンフォートチェア。

実際、キャンプと自転車の相性はすごくいい。車でキャンプ場まで行って、そこから自転車で周辺を探索する。近くの道の駅まで買い出しに行ったり、朝焼けを見に湖畔を走ったり。歩くには遠いけど、車で行くほどでもない、そんな距離が自転車だとちょうどいい。

価格は約55万円からで、決して安価ではないといえる。でも折りたたみ自転車の世界では、ブロンプトンは別格だ。カメラで言えばライカ、時計で言えばロレックスみたいな立ち位置。所有欲も満たしてくれる。

カラーはアドベンチャーオレンジ、フォレストグリーン、トレイルダストホワイトの3色。個人的にはオレンジが気になる。キャンプ場でも映えそうだし。

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カラーは上からアドベンチャーオレンジ、フォレストグリーン、トレイルダストホワイトだ。

10月14日から、日本で発売されたG-Line。東京の旗艦店では試乗イベントも行うらしいから、気になる人は乗ってみるといい。たぶん「油圧ディスク、やっぱりいいわ」ってなると思う。キャンプ場で、街で、どこでも気軽に走れる。ブロンプトンの新しい形、試してみない手はないはず。

Brompton G Line

価格:545,600円〜567,600円(税込) ※ラック・マッドガードの有無で価格が異なります
サイズ:S/M/L

購入特典キャンペーン
Helinox コラボレーションチェアを抽選で20名にプレゼント
キャンペーン期間:〜11月30日
対象:期間中にG Lineを購入・納車済みの方

試乗イベント G Line Urban Gravel Ride
開催期間:〜10月31日(12:00〜16:00)
開催場所:Brompton Tokyo(東京都渋谷区神宮前2-5-10)
予約不要、参加特典あり

ブロンプトン

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