パリのヴァンドーム広場で創業したフランスを代表するハイジュエリーメゾン、ヴァン クリーフ&アーペルが、東京・銀座一丁目に新たなブティックをオープンした。1世紀以上にわたり詩情あふれる作品を生み出し続けるメゾンの、独創性や卓越したサヴォアフェールを間近に感じられるつくりになっている。
新たなブティックが位置するのは、東京・銀座中央通り沿い。黒を基調とした重厚感漂うファサードは、ヴァン クリーフ&アーペルを象徴する菱形モチーフ「ロザンジュ模様」をベースにしており、ジュエリーの煌めきをあらわしたかのようなゴールドのグラデーションが、ロザンジュのあしらいをより一層際立たせている。メゾンのモノグラムを想起させるこの特徴的な外観デザインは、日本のブティックでは初めて取り入れられたものだ。
260㎡を超える広々とした店内も、ブラックと気品あるゴールドをキーカラーにしたモダンなつくり。花や蝶々などコレクションに取り入れられた自然のモチーフが、金箔で彩られた壁に手描きで施されている。1階エントランスホールの中央にはショーケースが設えられ、幸運のシンボルとして親しまれる「アルハンブラ」や咲き誇る花々を表現した「フリヴォル」、優美で滑らかなビーズにクラフツマンシップが宿る「ぺルレ」など、馴染み深いコレクションが並ぶ。
2階にはマリッジリングやソリティアリングが揃い、その凛とした輝きは息をのむほどに美しい。宝石商の子女であるエステル・アーペルとアルフレッド・ヴァン クリーフが結婚したことからはじまったメゾンの歴史は、まさにエンゲージリングにも相応しいだろう。このほかにも職人の匠の技が如何なく発揮された、タイムピースも展開。なかでも文字盤の上に広がる芸術ともいえる「ポエティック コンプリケーション」コレクションなど、その繊細なつくりにも注目したい。
そしてこのブティック最大の特徴が、ふたつのVIPルームを設えていることだ。1階の「アールデコ サロン」は、大胆な幾何学模様を取り入れたデザインに目を奪われる。アールデコ文化が花開いた1920年代に、世界的にも高い評価を得たメゾンの歴史を内包するかのような意匠は秀逸だ。そして2階の「ポエティック サロン」は明るくやわらかな色合いに、花や動物の手刺繍を施したパネルがあしらわれ、明るく詩的なムードが漂う。いずれも、じっくりとコレクションに向き合えるエレガントな空間だ。
メゾンの唯一無二の歴史や職人技を堪能できるブティックは、銀座一丁目の新たなシンボルになるだろう。
ヴァン クリーフ&アーペル 銀座1丁目店
住所:東京都中央区銀座1-7-10
TEL:03-3563-1906
営業時間:11時~19時 不定休
www.vancleefarpels.com