
話題の「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」がいよいよ10月7日(火)にオープンしますね。
皆さんより一足早く行ってきましたよ。
いや〜楽しかった!!
SF&ファンタジー映画好き、アクション&RPGゲーム好き、アニメ好きの心を鷲掴みする、夢の世界が現実になったアクティブな体験。
鏡で囲み奥行きを広げる手法、コンピューター制御の照明、人の動きを検知して変化するAI技術といった仕掛けは、いつものチームラボそのものです。
ただここには物質感というか、脳が理解するのでなく身体が反応するリアルなアトラクションの面白さがありました。
それをよく感じたのは、チームラボ自身が子供向けをアピールしているフロア「運動の森」。
大人(かなりの)のわたしがめちゃめちゃテンション上がったほど、自由に遊び尽くせる作品がたくさん。
音ゲーム、リズムゲーム、ペイントゲーム、探索ゲームのオンパレード。
フロアが広く移動しながら「こんなのあるんだ」と発見する楽しみもあり。
このフロアのおかげで、施設全体の印象が大きくアップ。
皆さんも子供連れでなくても、ここだけはどうぞお見逃しなく。
2025年8月に初めて報道陣に公開された「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」の内覧会では、5作品だけ公開されたようですね。
わたしが行った最終内覧の9月29日(月)には施設の全作品が仕上がっていました。
そのすべてを見たうえでのお薦め度ベストが「運動の森」です。
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アトラクション気分の「運動の森」
まずは上の公式動画をご覧ください。
もうこれがすべてなんですけど……ご自身がこの場にいる光景をイメージしていただくとより興味が湧くと思います。
登場する子どもたちを眺める他人事ではなく。
おおむね実際にこのような見え方、体験ができます。
PVだとBGM音楽の主張が強いのがちょっと異なりますね。
実際は身体を動かし床を踏むと音が鳴り、照明が変化し、パーソナルに音響と映像をコントロールできます。
施設がオープンしてしばらくは大混雑でしょうから、大勢の子どもたちの歓声と動きでワケわからなくなる可能性はあるものの。
映像では運動量が凄く感じるでしょう。
それは子どもの背が低く、リアクションが派手なのが理由。
大人ならポンポンと軽く飛び跳ね、地面を踏んで歩く程度の動作でOKです。


まずは半円のカラフルな突起がぎっしりと並ぶ部屋から。
突起は立体的なクッションでできています。
足で踏むと色が変わり音が出ます 。
好きなように跳んでいくと、自分で音楽や映像を創造したようでワクワクします。
楽器を踏んでいく楽しさですね。
おずおずとクッションを踏んだときぐらぐらと足が揺れましたが、跳んでみると簡単に移動できました。
子どもの頃に「ケンケンパー」ってやったように、大人も懐かしく遊べる作品。
全体照明がめちゃめちゃ暗いですから、恥ずかしがることはなにもない w


飛び跳ね系だともうひとつ良かったのが、この宇宙空間。
2列に並んだトランポリンを跳ぶ作品です。
目の前に惑星(丸い照明)が現れ、それを追っかけながら前に進みまます。
トランポリンでも反動率はごく弱いですから、不安なくピョンピョンと行けました。

ここも踏みつけに反応する音と色の変化がすごく効果的で、つい惑星を追っかけたくなります。
最後まで辿り着くと自分の惑星が壁に沿って登っていき、宇宙空間の一部になる仕掛けまで。
その惑星は客が退出したあとも宇宙の一部であり続けます。
遊んだ痕跡を残したまま客が会場を後にできる洒落た工夫です。

異世界の惑星のようなここも良かったですねー。
陸や海のような凹凸をつけた空間で、奇妙な生き物たちがうねうねと動き回ってます。
とても広いスペースで、下写真の左端に大人がいるのがおわかりですか?
全体のスケールが判別できるかと思います。

キャラを踏みつけると、ポンッと弾けて色が広がるんですよ。↓
ビデオゲームの「スプラトゥーン」のように色を塗っていく感覚。
(すぐ消えますが)
こちらもついキャラを追っかけたくなってしまいます。

うぉ、『呑星の鯨』だぁ!!↓
(「原神」プレイヤーにしか伝わらない例えやめろ)

もちろん追っかけて踏みつけてやりましたよ。
凸った星5キャラでもクリアが難しい呑星の鯨を、ここぞとばかりに攻撃してやりましたよ。
結果。
何も起こらず w
なんだよーただのモブかよぉ。
(ゲームやらない人にはわからん用語やめろ)
とても幸せな探索ができました。

カラフルな照明のゴムボールがたくさん宙に浮かぶ部屋も好きでした。
ほかの作品と比べると地味ですが、ローテクなムードが落ち着きます。
ほら、毎日カルボナーラばかり食べてたら、ときどきペペロンチーノを注文したくなるじゃないですか。
(この例えなら伝わります??)

このフロアの最後にもうひとつ、大人が見逃しそうな部屋をご紹介。
キッズルームのようなアニメーション部屋です。



このキャラたちが、まーかわいい。
部屋に用意された道具類を近づけると変化する動きも巧み。




積み木のようなおもちゃと映像が連動して、不思議な現実味のあるファンタジー世界を生み出してます。
チームラボといえば荘厳で派手なヴァーチャル風景の印象がありましたが、小作品にも優れものがあるんですね。
心に穏やかに入り込む、このようなアートアニメーションをつくれる人を尊敬します。
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ピンポイントの超厳選お薦め作品
続いて一般作品より「本当に体験してよかった!」と感じた1作品を厳選してご紹介。
このセクションは多くのメディアが取り上げていますから、そちらで作品群を個別にご覧いただけるでしょう。
ここではマニアック目線に振り切らせていただきます。
その作品がこちら。↓
メタリックな箔素材の風船(直径20cmほど)が風の力で舞い上がる作品。
ひとつひとつが生き物のようで、固まりになりDNA螺旋のように変化して離れたりくっついたり。
客は床にも広がるこの物体をかき分けながら(ほぼ蹴っ飛ばす感じで)、コンパクトな部屋を歩きます。

生き物がうごめく空間に入ってしまった奇妙なSF感覚。
映画「エイリアン」「ピッチブラック」「スターシップ・トゥルーパーズ」あたりがお好きな人にはきっと刺さるはず。
そしてこの作品のクライマックスは、轟音と共に球体全体がぐるぐると部屋を循環するイベント(公式PVの59秒あたりから)。
「壁際に移動してください」と音声ナレーションが流れたあとに、ゆっくりと始まりました。

なんと空中から客に向かってオブジェクトが降り注いできます!
ガンガンと頭や肩(&カメラ)にぶつかってきます。
こいつらにめっちゃ攻撃されるんです。
ツバつきの帽子被ってたから、風船がボンボンと当たる音が耳に響いて。
もう……なんという屈辱感 w
「剣持ってたら切りつけられるし、弓なら撃ち落とせるのに!」とゲーム脳で考えつつ、何もできない無力感ったら。
大人になると現実の社会で誰かに頭をポンポン叩かれることないじゃないですか
ましてや得体の知れない生き物に襲われることもない。
そんなストレンジ・ワールドを体験できる作品です。
いや〜よかった w
異次元の領域に連れて行っていただきました。
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最後に少々
「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」は予想以上の規模感で、1点1点の滞在時間が短い取材でもトータル2時間が過ぎました。
皆さんがしっかり楽しみたいなら、3〜4時間見るといいのではないでしょうか。
とても充実した施設ですが、手放しで褒められない点も幾つかありまして。
一番気になったのが通路が真っ黒、真っ暗闇で、どこに進めばいいかわからなかったこと。
つまずきそうな歩く怖さもずっとつきまといました。
スマホの懐中電灯アプリで、なんとか対応できましたが。
ただ入口っぽいビニールシートの暖簾や扉が見つかっても、客用なのかスタッフ用なのかも判別できず。
「ここ入っていいのかな??」 と迷い続けることに。
メディアでこの点があまり指摘されないなら、ツアー内覧会で場を知り尽くしたスタッフが付きっきりで案内したからでしょう。
自由行動でひとりで歩いたわたしのような不安感を感じなかったはず。
運営側は施工状態から内部を見ていたり、明るい照明で歩いたことがあったり空間を把握しているでしょう。
知識ゼロで暗闇に放り込まれる人間の気持ちがわからなくても当然のこと。
これほど素晴らしく客を楽しませる作品を生み出す方々なのだから、次の段階として客への優しさに踏み込んだ施設にしていただけると嬉しいですね。
作品自体にも「トラブル起きないといいけど」と余計なお世話ながら感じたものも少し。
たくさんの施設をつくってきたチームラボですから、経験値に基づくトラブル回避や安全性には十分に配慮しているのでしょう。

京都駅の八条口(地図でいう南側)から徒歩で7〜8分ほどの閑静な住宅街に現れた単独の建物。
このエリアは京都市が再開発を目指しており、チームラボがその先駆けとして公募で承認されました。
「文化芸術によるまちづくり」が進められていき、開発が遅れていたこの土地一帯が変化していくようです。
京都市は海外観光客のメッカですし、「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」にも日本以外の人が押し寄せるんでしょうねえ。
観光ガイドにでも載ったらたいへんなことになりそう。
そうなる前に皆さん、足を運んでおいたほうが懸命かもしれません!

ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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