two suspended white wings float around luminous central sphere for oas/s-nest seashore installation https://t.co/bQE22fNvCS pic.twitter.com/149NuOQ0Bm
— designboom (@designboom) August 5, 2025
中国河北省の阿那亚(アナヤ)海岸に、眼をモチーフにした大型のインスタレーション『OAS/S-NEST(オアシス・ネスト)』が出現した。単独でアート作品として成立するだけでなく、2025年に同地で開かれるアナヤ・ドラマフェスティバルにおいて、海辺の特設ステージとして運用される。
空から落ちてきた巨大な「眼」
作品は見る角度によりさまざまなイメージを想起させる。人の背丈の倍ほどの位置に設けられた屋根部分に相当するのは、交差する2本の白いアーチだ。飛翔する鳥をイメージし、翼のようにゆったりと湾曲したデザインで魅了する。
これら2本の翼は、まるで空から地上へ降り注いだかのような鏡のかけらの数々に支えられている。磨き上げられた金属板がランダムに浜辺に突き刺さっているようだが、入念な設計により、うち数片が翼状のアーチを支持している。柱としての役割を目立たなくしたことで、アーチの浮遊感を実現した。幾何学的な複数の鏡面ブロックは、アーチ部が鳥の羽を表現しているのに対し、鳥の巣をイメージしている。
作品を通じて最も目を引くのは、中央に設けられた半透明の球体だろう。まるで磨りガラスのような質感に仕上げられており、向こう側の景色を透過する。砂浜の向こうに広がる何の変哲もない空と海が、球体を通じて鑑賞することで、特別な空間に閉じ込められたアートへと変貌する。
空から見えるもう一つの姿
作品の周囲を歩き回り、こうしたユニークな姿を堪能してなお、このインスタレーションを堪能し尽くしたとは言えない。誰も見ることのない上空からの視点でも、アートとして成立するよう設計されている。
建築・デザイン専門サイトのデザインブームは、上空から作品を見下ろすことで、そこに眼の形が出現すると指摘している。クロスする2本のアーチが中央に球体を抱き、図案化された人間の眼が姿を現す。
この眼は、ステージとしての機能を象徴していると言えよう。作品は演劇の舞台としての機能を持ち、近くに設けられた階段状の客席から観劇することが可能だ。観客たちが夢中になってステージを鑑賞するその瞬間、ステージもまた客席を見つめ返している。
実際のところ上演中、役者たち一人ひとりの視界には、熱狂する観客たちの姿が映り込んでいることだろう。一方通行と思い込みがちな観劇体験に、本作は新たな価値観を提起している。
鏡面が映し出す無限の空と海
瞳部分の球体には縦長の照明が仕込まれており、周囲が暗くなるにつれ、球体は猫の目のような姿へと変化する。
日没前、太陽光の最後の一束が作品を染め上げたのを合図に、やがて支持材の鏡面は薄暗くなった空を映しながら、ゆっくりと夕闇へ溶け込む。がらんとした浜辺に、一抹の寂寥感を残すインスタレーションだ。
デザインブームは、作品と周辺環境との相互作用に注目。時間によって変わる空の様子、海の色、群衆の動きを鏡面が捉え、展示期間中、その姿は絶えず変化し続けると解説している。完成してなお決まった姿形を持たず、常に変化し生きた空間を演出する。
300人のクリエイターが集う「渡り鳥」プロジェクト
『OAS/S-NEST』は、公共芸術プロジェクト『渡り鳥300』によるアート企画の一環として製作された。アート情報メディアのアーキネクトによると、リウ・チャン氏、ジューシャ氏、ジェン・ジン氏、チェン・ミンハオ氏の4人によって共同で立ち上げられた企画であり、一貫して渡り鳥をメタファーとしている。
渡り鳥が毎年決まった時期に飛来するように、さまざまなバックグラウンドを持つ300人のクリエイターが毎年集い、300時間にわたって共同生活を実施。互いにインスピレーションを与えながら、創作活動に心血を注ぐという。プロジェクトの理念として、「再定義」「発生」「持続可能」「環境」の4つが掲げられている。
本作品も、ちょうど渡り鳥と同じく、開催地から別の地へと移動可能な設計になっている。構造物はすべて軽量のモジュール式素材を使い、容易に解体・移設・再利用が可能だ。作品は会期後に別の場所で活用でき、環境への負荷も抑える仕組みとなっている。
---fadeinPager---
two suspended white wings float around luminous central sphere for oas/s-nest seashore installation https://t.co/bQE22fNvCS pic.twitter.com/149NuOQ0Bm
— designboom (@designboom) August 5, 2025