“6分で満足させる”IQOSのクラフツマンシップとは。PMIキーマンが語った、TEREAのブランド哲学

  • 文:Pen編集部
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限定パッケージが誕生、“極み”が意味するものとは

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2025年9月3日から発売している、「TEREA」の数量限定パッケージ「KIWAMIエディション」。

フィリップ モリス ジャパン(PMJ)が展開する加熱式たばこ「IQOS ILUMA i(イルマ アイ)」「IQOS ILUMA(イルマ)」シリーズ専用たばこスティック「TEREA(テリア)」より、日本市場限定のパッケージ「KIWAMIエディション」が登場した。単なる限定パッケージにとどまらないTEREAの「味づくり」と「体験設計」への姿勢を表現する存在であり、根底には“重なり”という哲学がある。

TEREAにおける開発背景を紐解くために、スイスから来日したフィリップ モリス インターナショナル(PMI)の煙の出ない製品の研究開発部門にて責任者を務めるマティアス・ビューラー氏と、ブレンドとフレーバー開発を統括するフラビー・アラメンディ氏、そしてPMJでポートフォリオ・マーケティング・ディレクターを務めるダニエル・セヴシック氏に話を聞いた。

日本市場のニーズが、チャレンジへの原動力になる

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マティアス・ビューラー氏はル・ロックルにある HESを卒業後、PMIに入社。以来、製品開発、品質管理、ポートフォリオ戦略など多岐にわたる分野で経験を積んできた。

「日本の消費者を満足させることは決して簡単なことではありません。しかし、それこそが我々の原動力となり、情熱を持ってチャレンジできる」

そう語るのは、PMIで加熱式たばこの開発を統括するビューラー氏だ。

2014年に名古屋とミラノで始まったIQOSの歴史。その中でも日本は最も早く製品を受け入れ、市場をリードし続けてきた。「日本のユーザーは特別な存在です。非常に繊細で、自身の好みに対する要求が高い」と語る。

一方で、それは挑戦であると同時に、越えるべきハードルとしても捉えているという。

「その期待を超える製品をつくるために、時には2年以上の歳月を費やすこともある。日本市場は私たちを常により高みへと導いてくれます」

フレーバーづくりは「香りの建築」

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フラビー・アラメンディはフランス出身。香水・香料専門学校にてフレーバリストとして研鑽を積んだ後、PMIにジョイン。

TEREAの味わいは、香料を設計するアラメンディ氏によって支えられている。彼女はフレーバー開発を“香りの建築”と表現し、その設計思想をこう語る。

「まずは喫煙者のニーズの解像度を上げることが出発点。彼らが求める“体験”を定義し、次にその感覚を構成するタバコ葉、香料、各成分のレイヤーを積み重ねていきます」

単純に味を足すのではない。求められるセンセーションを軸に、香料や冷却効果、あるいはかすかな甘味を加える。この設計と検証を繰り返し、理想的なバランスに仕上げていくのだという。

「日本の消費者は、アロマは控えめ、甘味も必要最小限。そして口当たりの“滑らかさ”にこだわります。食文化とも通じるこの感性に、私たちは深く敬意を払っています」

TEREAの中核を成す“三角構造”

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9月某日、都内で行われた発表会の後、個別取材に応じたマティアス・ビューラー氏(左)、フラビー・アラメンディ氏(中央)、ダニエル・セヴシック氏(右)。

TEREAは、現在の日本市場において加熱式たばこスティック売上No.1のブランド。その中核にあるのは、「ブレンド」「加熱」「香料」からなる三角構造であるとビューラー氏は言う。

「ブレンドと加熱エンジンが製品の核を成し、香料はそこに重なり合うことで体験の完成度を高めます。フレーバーだけで体験を代替することはできない。あくまでベースが整っているからこそ成立するのです」

TEREAは、「SENTIA(センティア)」シリーズとは異なる個性を持つ。「TEREAはより複雑で革新的な体験を、センティアはよりクラシックで親しみやすい体験を提供する」と、アラメンディ氏はその違いを補足する。

IQOSの喫煙時間は約6分。「最初の一口から満足できること。時間が経つごとに体験が薄れていってはならない」と、ビューラー氏。加熱時の熱伝導や、香料の変化、冷却の持続性などを考慮し、6分でひとつの体験として計算されている。

「加熱式ならではの一貫性を担保することが、我々のクラフツマンシップです」

世界へ広がるフレーバー・ポートフォリオ

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PMJでポートフォリオ・マーケティング・ディレクターを務めるダニエル・セヴシック氏。

ダニエル・セヴシック氏は、「日本におけるIQOSユーザー数は1000万人を超えています」とし、「TEREAが持つこだわりと情熱が、皆さまにしっかりと伝わった証であると考えています」と評価する。

この結果に伴って、TEREAにおけるフレーバーの多くは日本市場から生まれている。たとえば「ブラック」シリーズは、日本での成功を受けてアジア市場に拡大。カプセルタイプの「パール」も、日本人の嗜好に合わせて微調整され、世界で受け入れられるフレーバーに成長した。

日本市場への深い理解とものづくりへの情熱が、23種類にも及ぶフレーバー・ポートフォリオの礎となった。

“重なり”を表現したKIWAMIエディション

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「KIWAMIエディション」は16銘柄を展開。「京源」の波戸場承龍・波戸場耀鳳によってデザインされた紋章とTEREAロゴが描かれている。

今回の数量限定パッケージ「KIWAMIエディション」は、こうしたクラフツマンシップやブランド哲学を表現している。

紋章デザインを手掛けたのは、「京源」の紋章上繪師、波戸場承龍・波戸場耀鳳。伝統的な家紋の構造美に、現代の精緻なグラフィック技術を融合。幾重にも重なった線がTEREAの“重層的な体験”を象徴している。

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明治20年創業の紋糊屋「京源」の三代目、波戸場承龍(左)と息子・波戸場耀鳳(右)。

箱の中には、「クラフトマンシップ」「リーダーシップ」「情熱」の3つの価値を紋章に込めた限定メッセージカードも封入されており、製品そのものがブランドの“語り手”となっている。

“煙のない社会”への旅路、進化は続く

「KIWAMIエディション」は全16銘柄を展開。全国のIQOSコーナーおよび、コンビニエンスストアを含む全国のたばこ取扱店で、2025年9月8日から6銘柄、9月15日(月)から8銘柄、9月22日(月)より2銘柄の三段階に分けて順次発売。

「煙のない社会」の実現に向けた今後の展望とは。最後にビューラー氏の言葉を紹介する。

「クラフトとテクノロジー、伝統と革新。そのすべてを一体化し、20歳以上の喫煙者が満足できる体験を届ける。それが私たちの使命です。煙のない社会へ向けた旅はまだ終わりません」

IQOS

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