神奈川県平塚市出身の画家・原良介による個展『原良介 サギ子とフナ子 光のそばで』が、平塚市美術館で好評開催中だ。会期は2025年9月15日までと、残り半月ほど。会場には多くの人が訪れ、穏やかで心地よい作品世界に浸っている。
1975年に平塚で生まれた原は、在学中に第2回トーキョーワンダーウォール展で大賞を受賞、2009年には東京オペラシティアートギャラリー、12年には茅ヶ崎市美術館で個展を行い、その後も表現の幅を広げてきた。
今回の展示では、光あふれる風景を一層のみの筆致で軽やかにとらえた油彩画が並ぶ。自然の瑞々しさ、生きるものの生命力を見つめるまなざしは、穏やかで心地よい世界を描きながら、どこかに不思議な引っ掛かりを残す。また、磁器を用いた大型の立体作品も出品され、平面作品とは異なる質感で、表現の新たな扉を開いている。
展覧会タイトルとなっている『サギ子』『フナ子』シリーズでは、水辺や森を駆ける少女が鳥や魚と一体になっていく、不思議な光景が描かれている。眺めているとふと懐かしく、記憶がよみがえるような感覚になるのも印象的だ。
過ぎゆく夏の気配とともに、静かな余韻を残してくれるこの展覧会に、ぜひ足を運んでほしい。


『原良介 サギ子とフナ子 光のそばで』
会期:開催中〜2025年9月15日(月•祝)
会場:平塚市美術館
TEL:0463-35-2111
開館: 9時30分〜17時(入場は16時30分まで)
休館:月曜(9月15日をのぞく)
料金:一般¥900