
ソウルの街中に突如現れた、MCMのシグネチャーパターンをまとった巨大なBE@RBRICK。屋上から街を覗くその姿は、都市に差し込む非日常のアイコンとなっている。いま、韓国で開催中の「FRIEZE SEOUL 2025」にあわせ、韓国最大の旗艦店でありブランドの文化的発信拠点でもある「MCM HAUS」が幻想的な舞台へと姿を変えた。
この企画はMCM JAPANの金海利が発案し、MCMにとって初となる“BE@RBRICK特化型”のエキシビションとして実現。キュレーションを手掛けるのは「メディコム・トイ(MEDICOM TOY)」のCEO、赤司竜彦だ。9月3日から一般公開された没入型エキシビション『BE@RBRICK in MCM Wonderland』では、アート、デザイン、ストリートカルチャーが交錯し、祝祭のような空間が広がっている。
会場で特に注目したいのが、アーティストそれぞれの感性を宿したBE@RBRICKたちである。ヘッドピースデザイナーとして名高い日爪ノブキは、前衛的なハットをBE@RBRICKに纏わせ、シルエットとアイデンティティの関係性を拡張する。伝統的な帽子制作の技術に、前衛的な造形感覚を重ねることで立体作品の可能性を広げている。複数の国を渡りながら育つ経験を持つ美術家の谷敷謙は、鮮やかなリップフェイスのパターンを通じて、消費文化と個人の記憶を再解釈し、訪れる人をノスタルジーと遊び心の旅へと誘う。その造形には、伝統工法である木目込みも用いられており、繊細な技に目を凝らすことで、さらに奥行きを発見できるだろう。そして、革工芸の美しい印傳屋は400年以上受け継がれてきた甲州印伝をMCMのモノグラムと重ね合わせ、伝統と革新が響き合う新しい造形美を提示。異なる文化的レイヤーが交錯するその空間は、まさにMCMが描く“新しい物語”の縮図といえる。




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そして本展の象徴となるのが、「FRIEZE SEOUL 2025」を祝して発表される限定カプセルコレクションだ。谷敷の『PAUSE-Usa Usa』を全面に施した100% & 400% BE@RBRICKセット、印傳屋の職人が漆と鹿革で仕立てた唯一無二のハンドメイド版、木工の名門「カリモク」が手掛けた木製モデル──いずれもアートピースでありながら、ファッションの領域をも越境する存在感を放つ。
さらに、MCMのシグネチャーをまとったプリントTシャツや注目新作のナイロンショルダーバッグ、遊び心あるBE@RBRICKチャームといったアイテムも登場している。厳選された逸品と軽やかな日常使いのプロダクトが同居することで、コレクションは一層豊かな広がりを見せる。来場者は、こうした“ワンダーランド”のかけらを手に取り、日常へと持ち帰ることができる。
「MCM HAUS」で広がる光と音の幻想空間。そこでBE@RBRICKとMCMが紡ぐ“未来の対話”を体験すれば、ソウルの街がいっそう魅力的に感じられるはずだ。








BE@RBRICK in MCM Wonderland
開催期間:開催中~2025年9月30日 ※一般公開
開催場所:MCM HAUS
ソウル特別市 江南区 清潭洞 狎鴎亭路 412
開館時間:11時~20時
入場料:無料
www.mcmworldwide.com