森美術館で開催中の『藤本壮介の建築:原初・未来・森』展を、俳優として表現の幅を広げる長濱ねるが訪れた。藤本自身による案内のもと、いかなる刺激を受けたのか?
『いまこそ知りたい、建築家・藤本壮介』
Pen 2025年10月号
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創造の“森”の中を歩き、2人の対話は進む

衣装(長濱ねる):ワンピース¥39,600/RITSUKO KARITA(RITSUKO KARITA ritsukokarita@gmail.com)、リング(人差し指)¥25,300/コノア、リング(中指)¥25,300/ソア(ともにゲイザー TEL : 080-3731-3417) ブーツ¥137,500/ビィウィッチ(ビィウィッチ TEL : 03-5726-9750)
長濱 ─―わっすごい! これ全部、建築の模型ですか?
藤本 はい、最初のセクションは「思考の森」です。僕が事務所をスタートしてから最近まで、100を超えるプロジェクトから1000点以上の模型や図面、アイデアの断片などを展示しています。
長濱 模型のあいだを歩いていってもいいんですか?
藤本 太い道と細い道があるので注意しながら歩いてみてください。僕は北海道の森に囲まれて育ったんです。建築は人工物をつくる仕事ですが、ずっと自然の森と建築を掛け合わせたものをつくりたいと思ってきました。僕の考える“森”をいろいろな角度から体験してもらうため、模型を上から吊るすなど高さを変えて展示しています。
長濱 ひとつひとつ、じっくり鑑賞したいです。
藤本 次の部屋には年表があります。大学を卒業してから現在までを、国内外の建築界や社会的な出来事と併せて掲示しています。卒業後はどこの設計事務所にも所属せず、一人で建築の勉強をしていたんですよ。
長濱 その時インプットのためにどんなことをされていましたか?
藤本 世界の建築を見るために旅をしましたが、基本はインドア派でしたね。思考を繰り返すような。
長濱 建築に魅了されたきっかけはなんだったんでしょうか?
藤本 子どもの頃から粘土遊びや木を切ったりしてものをつくるのが好きでした。中学生の時たまたま家にあったガウディの本を見て、「建物は人が考えてつくっているんだ!」と初めて認識したんです。高校では物理学に興味を持ち、大学に進んだのですが、物理の最初の授業でついていけず、なんとなく建築学科に進みました。長濱さんは建築に興味はありますか?
長濱 とてもあります。ジェフリー・バワの建築を見るためスリランカに旅をしたこともあります。動線や、サステナビリティなどいろいろな要素が複合的に組み込まれている建築のすごさに感銘を受けましたが、今回の展示を見て建築家の方と建築へのリスペクトがいっそう深まりました。
藤本 こちらは大阪・関西万博の大屋根リングを5分の1サイズの部分模型で再現しています。
長濱 まだ万博に行っていないのですが、現地で体感してみたいです。万博のプロジェクトはとても大きな仕事だと感じています。
藤本 引き受ける前に、「本当にいま万博をする意味があるのか、自分がつくる価値はあるのか」と考え抜きました。その結果、こういう時代だからこそ多様な世界がひとつにつながるというメッセージを発信し、「まだ希望はあるんだ」と伝えるためにも、万博をやるべきだと決心したんです。
長濱 そこに藤本さんの強さがあるんですね。やると決めたら目標に向かって進む。
藤本 その思いが強く、万博はブレなかった。いい経験でした。
長濱 完成した時のお気持ちは?
藤本 来場者が大屋根リングを歩く姿を目にした時は感激でした。リングの上から各国のパビリオンや会場中央の森、リングに咲く花が一望できて、小さな地球みたいに見えた。
長濱 それは圧巻でしょうね――
※対話の続きは、Pen10月号にて掲載。



長濱ねる
●俳優。長崎県生まれ。2016年、欅坂46(現・櫻坂46)の1stシングル『サイレントマジョリティー』でCDデビュー。現在はドラマやCM、ラジオのパーソナリティなどソロで活動を続ける。セカンド写真集『長濱ねる』(講談社)が好評発売中。