【駅地下の新世界】横浜・新高島駅に、ZINEとカフェを手軽に楽しめる「アート センター ニュー」が誕生!

  • 写真:河内彩
  • 文:Pen編集部
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アート センター ニュー

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再開発の波が街を変える新高島駅地下1階にある、Art Center NEW の外観。

再開発が進む横浜・新高島駅の地下1階に、“新しさ”の意味を問う新たなアートスペース Art Center NEW が誕生した。かつて「BankART Station」として使われていた大空間をリノベーションし、駅という公共の動線とアートを地続きに結ぶ場として再構築している。ディレクターを務めるのは、吉祥寺で Art Center Ongoing を主宰し、インディペンデントなアートシーンを支えてきた小川希。都市に潜む余白を見出し、そこから文化を芽吹かせてきた彼が、この地下空間に新たな息吹を吹き込む。

施設は「ホール」「ギャラリー」「スタジオ」という3つのゾーンを中心に構成される。無料で誰もが立ち寄れるホールには、カフェや休憩スペースとともに、約100種類のZINEやアーティストグッズを扱うショップが常設。通勤や通学の途中にふらりと立ち寄り、本や作品と出会える気軽さがある一方で、有料のギャラリーでは企画展を通じてより深い体験が用意されている。開館記念展「NEW Days」では、尾崎藍、トモトシ、三田村光土里ら8名のアーティストが参加し、駅地下から“いま”を響かせるような表現を繰り広げた。

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オープニング展『NEW Days』より。駅地下という場所から“いま”を射抜く表現の数々。
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カフェや休憩スペースが、誰もを迎え入れる間口となっている。子どもが自由に遊べるスペースがあるのも嬉しいポイント。

さらに今後は、アートスクールや子ども向けワークショップ、音楽イベントなど多彩なプログラムを予定しており、ただの展示空間にとどまらない“文化の実験場”としての広がりも期待される。小川は「アーティストだけでなく、それを支える人々も含めて、次世代へバトンを繋ぐ仕組みをつくりたい」と語る。駅という日常の延長線上に生まれたこの場所は、観光客や美術ファンはもちろん、偶然通りかかった人々にも開かれており、横浜の街に新しいリズムを刻み始めている。

地下から世界へと響きだすアートの息遣い。その場に立つと、都市の営みと文化の未来が交錯する瞬間に立ち会っているような感覚を覚える。横浜に生まれた新たな文化のハブに、ぜひ足を運んでほしい。

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セレクトされた100種類近くのZINEとアートグッズが並ぶショップ。
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コーヒーはオリジナルのマグカップで提供され、駅構内に漂う香りが、地下空間をやさしく満たす。

Art Center NEW

住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅 B1F
営業時間:12時~20時
定休日:水、木
https://artcenter-new.jp