Amazonで再販売決定! アーティストYOSHIROTTENによるグラフィックをあしらった、PenのオリジナルTシャツ

  • 写真、文:照沼健太
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2025年1月25日に虎ノ門ヒルズの高層階「TOKYO NODE」で開催された、雑誌Penのイベント『Welcome to Pen 2025 CREATORS FES.』。この一夜に販売されていた、アーティストYOSHIROTTENが手がけたグラフィックをあしらったオリジナルTシャツが、このたび特別に再販売される。

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オリジナルTシャツ誕生の経緯

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自身のクリエイティブスタジオ「YAR」でグラフィックの制作画面を見せてくれたYOSHIROTTEN。

このグラフィックは、イベントのために特別に制作されたもので、YOSHIROTTENはそのこだわりを次のように語る。

「PenからTシャツをつくりたいという依頼が来た時、情報の発信側と受信側が交わり、そこから新たに生まれる“なにか”につながる“遺伝子”のようなイメージが浮かびました」

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YOSHIROTTENの直感をかたちにした、無数のカラフルなグラデーションが並ぶグラフィック。

制作するにあたり彼が考えたのは、Penが近年の特集で扱うサイエンスとテクノロジー、そしてファッションとカルチャーという異なる分野の融合をどう表現するか。

「Penの『王道だけどマニアック、ニッチな特集もある』。さらに、『読者も含めていい意味でまとまっていない』。そんな多様な要素を内包するイメージを、グラフィックに落とし込もうとしました」

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グラデーションが絡み合い、新たな広がりを感じさせるYOSHIROTTENらしさのあるデザイン。

受け手によってイメージが拡張していくような、開かれたかたちにしたかったというYOSHIROTTEN。イベント当日にはこのグラフィックが映像としても展開された。まるでDNAのようなものが動き、ゆっくりと広がっていくような映像で、観る者に高揚感を与える。

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こだわりを実現する、シルクスクリーン印刷の職人技

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クリエイティブクラフトスタジオ「ichinosai」の第2工場。秋田有数の豪雪地帯である湯沢市に立ち、冬季は周囲が雪に埋もれてしまう。

また、このオリジナルTシャツは、YOSHIROTTENのこだわりによって、シルクスクリーン印刷によってつくられているのも大きな特徴だ。

「僕は職人技、クラフツマンシップが好きなんです。よりフィジカルを感じられるアイテムとしてつくりたかったので、手触りや温かさを表現できるシルクスクリーンにこだわりました」

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第2工場の製作現場。Tシャツのボディを並べ、一枚ずつ手作業で進めていく。

そんなYOSHIROTTENのこだわりを実現するのが、秋田・湯沢に拠点を置くクリエイティブクラフトスタジオ「ichinosai」だ。

YOSHIROTTENの鮮やかな色彩や繊細なグラデーションが含まれたグラフィックは、実はシルクスクリーンでの再現が非常に難しい。デザインを複数の色に分解し、それぞれの色を段階的に重ねる工程を踏むシルククリーンプリントは、グラデーションの表現に多くの手間と高度な技術が要求されるからだ。

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このTシャツのためにつくられた10枚もの版。版製作も専門の職人が手掛けている。
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昔ながらの木版の上にTシャツのボディを配し、さらにその上に版を1枚ずつセッティングする。
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独自開発したインクを使い、絶妙な力加減と速度で版を重ねていく。写真は、まず土台として白のベースをつくっている様子。

そのためIchinosaiでは、職人たちは試行錯誤を重ね、一般的には4版ほどで行われる工程を、10版に拡張。さらには特殊なインク加工によって立体感と光沢感を生み出すことに。しかし、版を増やせばそれで解決するという話ではない。その分エラーのリスクも増えていく。

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季節や天候によってもインクの乗り具合は変わってくる。そこは職人の長年の感覚によって判断される。
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白のベースを敷いた後に、青、緑、黄色と目の覚めるような発色のインクが重ね、グラデーションを描いていく。
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微細な掠れに対し、後作業で補正を行う。1枚1枚手作業で仕上げていく最終工程。

現場でデータをそのまま落としても、生地の色や素材が影響を与えるため、プリント結果は異なってくる。そこに対して感覚で補正を行うのが職人の腕の見せ所だ。ミリ単位のズレも調整する。最後まで手作業での仕事にこだわり抜く。そんな職人技によって、この繊細なグラフィックが正確に再現されていくのだ。 

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上述したような工程を経て、まさに手作業でつくられたTシャツには、“作品”の風格が漂う。
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パール加工やジェル加工など複数の加工を試行錯誤した、サンプルの数々。これらを踏まえて最終的な商品生産に進む。

Ichinosaiの代表である沼倉佑亮は次のように語ってくれた。

「シルクスクリーンプリントのTシャツには、単なる商品としてではなく、その背景にあるストーリーや技術が価値を高める『作品』としての側面があると思います。実際、カルチャーを愛する人々は、そうしたストーリー性も楽しんでくれています」

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いっさい妥協しない、作品としてのTシャツ

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まずはサンプルとして出来上がった、白黒2色のTシャツ。
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Tシャツに施された美しいグラデーション表現。この厚みは版を重ねた証拠だ。

Tシャツは白と黒の2色展開。サイズは女性にもお薦めのMと、男女問わず楽しめるLの2サイズ展開だ。

しっかりとした厚手のボディをキャンバスとして、YOSHIROTTENのグラフィックを職人技で再現。この美しいシルクスクリーンプリントをぜひ手に取ってみてほしい。

レトロフューチャーな雰囲気漂うYOSHIROTTENのグラフィックと、職人の技術が込められたそのつくりを体感できるはずだ。

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YOSHIROTTENのこだわりが最後まで追求されたTシャツが出来上がる。
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Pen×YOSHIROTTENのオリジナルTシャツ。Penのイベントロゴをあしらったタグが首裏に配される。白と黒の2色展開で、サイズはそれぞれMとLで販売。各¥9,000

Pen × YOSHIROTTEN オリジナルTシャツ

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YOSHIROTTEN

グラフィックアーティスト、アートディレクター

1983年生まれ。デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、領域を往来するアーティスト。2015年にクリエイティブスタジオ「YAR」を設立。銀色の太陽を描いた365枚のデジタルイメージを軸に、さまざまな媒体で表現した「SUN」シリーズを発表し話題に。24年秋に鹿児島県霧島アートの森にて自身初となる美術館での個展が決定。


Official Site / YAR

YOSHIROTTEN

グラフィックアーティスト、アートディレクター

1983年生まれ。デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、領域を往来するアーティスト。2015年にクリエイティブスタジオ「YAR」を設立。銀色の太陽を描いた365枚のデジタルイメージを軸に、さまざまな媒体で表現した「SUN」シリーズを発表し話題に。24年秋に鹿児島県霧島アートの森にて自身初となる美術館での個展が決定。


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