自我を手放し空間と一体化する、「無限の鏡の間」に没入せよ

日本を代表するアーティスト・草間彌生の、1960年代初頭から現在に至る創作を導いてきた主題のつながりを照らし出す展覧会。彼女独自の世界観は、幼少期の記憶により築き上げられ、精神的葛藤がその芸術を突き動かしてきた。本展では絵画作品だけでなく、幻覚的なビジョンと宇宙における個人の居場所に関する彼女の哲学を表現する代表的シリーズ、「無限の鏡の間」を展示。果てしなく続く水玉の世界に没入し、空間とひとつになる「自己消滅」の境地に誘われる体験となる。
『YAYOI KUSAMA「 INFINITY ‒ SEELCTED WORKS FROM THE COLLECTION」』
開催期間:~2026/1/12会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
TEL:0120-00-1854
開館時間:12時~20時
休館日:ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる
料金:入場無料
www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/osaka
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琥珀状の層に閉じ込められた、「時間」と「記憶」の圧倒的な作品体験

大竹伸朗は半世紀にわたり、沸々と熱量を蓄える創作のエネルギーをもとに、膨大かつ多様な作品を生み出してきた。本展では、廃棄された露光テスト用ポラロイドフィルムに残された光の痕跡を大きく引き伸ばし、その表面に透明のウレタン樹脂をほどこす抽象絵画シリーズ「網膜」にフォーカス。音と光を組み込んだ巨大なレリーフをはじめとする渾身の新作など、琥珀状の層に封じ込められた時間と記憶が「網膜」を介して脳内で像を結ぶ、圧倒的な作品体験となる。
『大竹伸朗展 網膜』
開催期間:8/1~11/24会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
TEL:0877-24-7755
開館時間:10時~18時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(8/11、9/15、10/13、11/3は開館)、9/16、10/14、11/4
料金:一般¥1,500
www.mimoca.jp
※この記事はPen 2025年9月号より再編集した記事です。

建築ライター、NPO法人南房総リパブリック理事長、neighbor運営、関東学院大学非常勤講師
1973年東京都生まれ。日本女子大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2007年より「平日東京/週末南房総」という二拠点生活を家族で実践。2012年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市職員らとNPO法人南房総リパブリックを設立。里山学校、空き家・空き公共施設活用事業、食の二地域交流事業、農業ボランティア事業などを手がける。2023年よりケアのプラットフォームneighbor運営。著書に『週末は田舎暮らし」、『建築女子が聞く住まいの金融と税制』など。
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1973年東京都生まれ。日本女子大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2007年より「平日東京/週末南房総」という二拠点生活を家族で実践。2012年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市職員らとNPO法人南房総リパブリックを設立。里山学校、空き家・空き公共施設活用事業、食の二地域交流事業、農業ボランティア事業などを手がける。2023年よりケアのプラットフォームneighbor運営。著書に『週末は田舎暮らし」、『建築女子が聞く住まいの金融と税制』など。
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