ポンピドゥー改装前の最後を飾る、ティルマンス大規模展が開幕

  • 文:髙田昌枝
Share:

PARIS パリ/フランス

1.WT@Jens Ziehe _3.jpg
パリジャンに愛されたポンピドゥー・センターの図書館が舞台となった。アイコニックなパイプの構造をのぞかせる会場が印象的。 © Jens Ziehe

2030年までの大改装工事の開始を控えて、現ポンピドゥー・センター最後の展覧会が始まった。ラストを飾るのはドイツ人写真家ウォルフガング・ティルマンス。6000㎡の広々した図書館に35年以上にわたる彼の作品群が展示されている。

大小さまざまなフォーマットでテーマも多様。大きなデスク状のショーケースには作品を掲載した雑誌やポスターなどの印刷物が並ぶ。そのほか複数のモニター画面に、これまで図書館を訪れた利用者たちを映した動画作品を流すユニークな展示も。大胆に書架が取り払われた空間は、レンゾ・ピアノ建築の骨組みを見せ、格別なインスタレーションの場となった。展覧会は9月22日まで。

www.centrepompidou.fr

2.Echo Beach_Courtesy Galerie Buchholz, Galerie Chantal Crousel, Paris, Maureen Paley, London, David Zwirner, New York.jpg
彼の代表作として知られる「Echo Beach」2017。ポートレートや静物、ルポなどさまざまな作品を手掛けてきた。 Courtesy Galerie Buchholz, Galerie chantal Crousel, Paris, Maureen Paley, London, David Zwirner, New York

※この記事はPen 2025年9月号より再編集した記事です。