パスタを髪の毛に見立てたら…… 。こんなアイデアを採用したパスタのパッケージ・デザインが、見る人の目を楽しませている。種類やサイズ、茹で時間など実用的な情報が並ぶ他のブランドのパッケージとは一線を画しており、大胆でおしゃれなデザインが、発売以来人気となっているシリーズだ。
数々の賞を獲得! 遊び心のあるデザイン
パッケージのデザインを手掛けたのは、ロシアのアーティスト、ニキータ・コンキン。白い箱の前面には女性の顔が描かれており、その周りは髪のかたちに切り抜かれ、透明フィルムでカバーされている。フィルム越しに見えるパスタが、女性の髪の毛に見立てられており、スパゲッティはストレートヘアに、フェトチーネはボリューミーな渦巻ヘアに、カヴァタッピと呼ばれるらせん状のマカロニは、キュートなカーリーヘアに早変わり。この作品プロジェクトは、2017 年のA’s デザインアワード&コンペティションでの金賞、2016 年のペンタアワードでの銀賞を含む、数々の賞が贈られている。ドイツ企業、グリーノミック・デリカテッセンが事業化の権利を得て、『グッド・ヘア・デイ・パスタ(髪型がいい感じの日のパスタ)』として商品の販売をしている。
第一印象が大切! パッケージのインパクトは購入判断に影響大
ブランディング専門サイト、ブランディング・ニュースによれば、消費者が商品に対する印象を形成するのにかかる時間は、わずか 7 秒ほどだという。よって、人との出会いと同様に、第一印象は非常に重要で、『グッド・ヘア・デイ・パスタ』のようなインパクトのある製品が、人々の注目を集める可能性ははるかに高くなるとしている。コンキン自身も、棚で目を引くデザインを目指したとしている。また、パッケージだけでなく、パスタ自体の品質の高さとナチュラル感も強調したと説明。センスのいい人に気に入ってもらえるデザインになったはずだと述べている。
黒髪バージョンも! おしゃれな新パッケージ続々登場
パスタ自体はイタリア産のデュラムセモリナ100%を使用したもので、イタリアのアブルッツォ地方で製造されている。真鍮の型を通して押し出して形成され、穀物の香りや風味を保つために低温で乾燥させた本格派だ。最初に商品化されたのは、スパゲッティ、フェトチーネ、カヴァタッピの 3 種類だったが、現在では、ロングパスタからショートパスタまで、かたちの異なるものが販売されている。色もカラフルさを増し、パスタの自然な小麦色を活かしたものだけでなく、イカ墨やカカオで染めた黒髪バージョンも仲間入りしている。また、女性だけではなく、男性のヘアスタイルを見せるパッケージも登場。多様性の時代にマッチした、多彩な品揃えとなっているのが魅力的だ。