新たな“名席”が銀座に誕生。「虎あら」で味わう、正統派日本料理の真髄

  • 写真:河内 彩
  • 文:Pen編集部
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銀座 虎あら

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料理人の技を間近に感じられる、全9席のカウンター席。ゆったりと食事を楽しめる、4名まで利用可能な個室も完備。

銀座の喧騒を一歩離れ、静かに扉を開けると、そこには深山幽谷を思わせる凛とした空気が広がる。季節の山野草が佇むこの空間に誕生したのは、日本料理店「銀座 虎あら」。腕をふるうのは、地元・新潟の鰻割烹で腕を磨き、京都の名店「未在」でさらに研鑽を積んだ料理人・物江英明だ。

虎あらは、彼が料理人人生の集大成として開いた念願の舞台。料理の礎となるのは、長年の修業で培った確かな技と、四季折々の恵みを最大限に活かす感性だ。提供されるのは、8~10品からなる「季節のおまかせコース」。たとえば、彩り豊かな吹き寄せに始まり、旬の食材が際立つお造り、季節を写し取った煮物や焼き物と続く流れは、まさに王道の日本料理。その中でも特に印象深いのが、修業時代の思い出も深い看板料理の「鰻の押し寿司」だ。香ばしく焼かれた鰻と酢飯が美しい層をなし、一口で豊かな滋味が広がる。最後に京都の老舗「柳桜園茶舗」の抹茶と、季節の甘味がコースの締めくくりとして用意。食後の余韻までも丁寧に設計された時間に、心がゆるやかにほどけていく。

日本料理の伝統に寄り添いながら、料理人の個がそっと息づく「銀座 虎あら」。銀座の新たな“名席”で一期一会の味わいを堪能してほしい。

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メニューは「鰻の押し寿司」を含む、「季節のおまかせ」(¥28,000)がある。
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冬瓜を丸ごとくり抜き、器に見立てた「冬瓜の冷やしのっぺい仕立て」。
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ふくよかな旨みとやさしさが広がる「甘鯛と賀茂なす」。
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店名の虎あらには、「虎のような縁起のよさでありながら、コアラのように愛される存在へ」という意味が込められている。

Ginza Koala

住所:東京都中央区銀座8-7-7 JUNO銀座誠和ビル 3F
営業時間:18時~、20時30分~ ※コースによる一斉スタート
無休
Instagram@ginza_koala