アジアの写真芸術のハブを目指す、韓国で唯一の公立写真専門美術館が誕生

  • 文:チェ・ヨンファン
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SEOUL ソウル/韓国

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オーストリアの建築家ムラデン・ヤドリッチと韓国の建築事務所「1990都市建築」による設計。写真を“光で描く絵”と捉え、ピクセルをモチーフにした。 photo: Yoon JoonHwan courtesy of Seoul Museum of Art

ソウル市立写真美術館が市内北部のトボン区に開館した。10年以上の準備期間を経て誕生した、韓国初にして唯一の写真メディア特化型公立美術館だ。写真のピクセルを着想源としたユニークな建物は、延べ面積7048㎡、地下2階・地上4階建て。約1800㎡の展示室をはじめ、レクチャー室、暗室、フォトライブラリー、フォトブックカフェなど、写真の芸術性と影響力を体感できる施設を備える。

また全世代を対象とした教育プログラムに加え、展示、研究、収集、保存を通じて、アジアにおける写真芸術の新たなハブを目指すという。現在は開館記念特別展を開催中。すべての展示は無料で観覧できるので、ぜひ足を運んでみてほしい。

https://sema.seoul.go.kr

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開催中の開館記念特別展、『光彩:はじまりの瞬間』のポスター。韓国写真界の巨匠5人に焦点を当て、芸術写真の原点をたどる展示になっている。

※この記事はPen 2025年8月号より再編集した記事です。