プシュパマラ. Nによる日本初の展示から藤田嗣治の「写真」にフォーカスした展示まで【今月の展覧会2選】

  • 文:河内タカ(アートライター)
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多様な役柄を自ら演じる、インド現代美術界のイコノクラストとは

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「Phantom Lady or Kismet」, No.4 1996~98年 © Pushpamala N

プシュパマラ. N は、インド南部のバンガロール( 現ベンガルール) を拠点に活躍するインドを代表するアーティスト。彫刻家としてスタートし、写真や映画へと表現の幅を広げながら、フォト・パフォーマンスとステージド・フォトによって、美術史や大衆文化から引用した示唆に富む物語をつくり上げる。本展は初期シリーズの「Phantom Lady or Kismet」、インド美学の9つの感情を主題とした「The Navarasa Suite」など3つのシリーズからなり、いずれも日本初の展示となる。

『Dressing Up: Pushpamala N』

開催期間:~8/17
会場:シャネル・ネクサス・ホール
開館時間:11時~19時(7/10、24は17時まで) ※入場は閉場の30分前まで 
休館日:無休
料金:入場無料
https://nexushall.chanel.com

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「写真」をキーワードに再考する、“自分” を意図的に演出した画家の新たな側面

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ドラ・カルムス『藤田』 1927年 東京藝術大学蔵

丸メガネにちょび髭、坊ちゃん風の髪型、奇抜なファッションなどで知られる藤田嗣治(1886-1968年)。日本人離れしたエキセントリックな風貌は、芸術の都パリでもひと際目立っていたようで、それを裏付けるようにパリでのフジタの肖像写真は多く残されている。本展はエコール・ド・パリを代表する藤田の芸術を「写真」をキーワードに、絵画制作に用いた写真や南米で撮った写真など、数千点にもおよぶ写真を残した藤田の新たな側面にフォーカスした展示となる。

『藤田嗣治 絵画と写真』

開催期間7/5~8/31
会場:東京ステーションギャラリー
TEL:03-3212-2485 
開館時間:10時~18時(金曜は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(7/21、8/11、25は開館)、7/22、8/12
料金:一般¥1,500
www.ejrcf.or.jp/gallery

※この記事はPen 2025年8月号より再編集した記事です。