「永久(パーペチュアル)カレンダー」は、日付と曜日、月で構成され、閏年までを正確に表示するという3大複雑機構のひとつだ。今年はミニマルな表示形式のモデルや、スポーツウォッチをベースにした実用度の高いモデルが多く登場した。“永久”という言葉通り、持ち主と生涯をともに歩むべき腕時計だからこそ、日常的に使いたい。そんな思いにも寄り添う5本だ。
9の視点で紐解く、2025年の新作腕時計
今年も個性豊かな新作腕時計が、華々しく登場した。世界最大の時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025」は、過去最大の約55000人を動員するなど、いまなお腕時計の人気を実感させるイベントだ。今回は2025年の新作時計の中から、9つの視点から整理して紹介していこう。ダイヤルやムーブメント、カラー、素材、手仕事にテクノロジー、そして歴史。腕時計を構成する要素は果てしなく多い。だからこそ、視点の違いで解像度は大きく変わる。大量の新作を前に、あなたが悔いのない選択をするためにも、そのヒントをお教えしよう。
『ようこそ、 ヴィンテージへ』
Pen 2025年8月号 ¥990(税込)
Amazonでの購入はこちら
楽天での購入はこちら
1. パテック フィリップ「グランド・コンプリケーション 6159G」
2. パルミジャーニ・フルリエ「トリック パーペチュアルカレンダー」

右:トリック パーペチュアルカレンダー/手巻き、PTケース、ケース径40.6㎜、パワーリザーブ約60時間、シースルーバック、アリゲーターストラップ、30m防水、世界限定50本。¥15,114,000/パルミジャーニ・フルリエ eメール:pfd.japan@parmigiani.com
1925年に世界初の永久カレンダー搭載の腕時計を発表したパテック フィリップ。その革新の系譜に加わった最新作「グランド・コンプリケーション 6159G」は、独創的なレトログラード日付表示針付きの永久カレンダーだ。半透明の“グレー・メタライズ・サファイアクリスタル”文字盤が透かしてみせる、ムーブメントの心臓部も絶景。
パルミジャーニ・フルリエの「トリック パーペチュアルカレンダー」。ミニマルデザインを突き詰め、装飾性や表示要素をぎりぎりまで削ぎ落とし、2カ所のサブダイヤルと各2本の針のみで日付・曜日・月・閏年を表示する。余白の美しい文字盤は全面にグレイン仕上げを施すことで、光の加減によって奥行きが生まれ、静かな存在感を放つ。現代的美意識に貫かれた永久カレンダーだ。
3. ブライトリング「ナビタイマー B19 クロノグラフ 43 パーペチュアルカレンダー」

パイロットウォッチのアイコンである「ナビタイマー」に、永久カレンダーとクロノグラフが搭載されたスペシャルな新作。自社製ムーブメント「キャリバーB19」は昨年創業140周年を記念して発表されたもので、改めてレギュラーモデルに搭載された。
---fadeinPager---
4. IWC「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41」

時計界の巨匠、ジェラルド・ジェンタが1970年代に手掛けた「インヂュニア」のアイコニックなデザインと、IWCの伝説的な時計技術者クルト・クラウスによるリューズひとつで操作可能な永久カレンダー機構、このふたつの革新がひとつのモデルに融合した。ふたつの中間歯車を備えた独創的な設計による減速ギアトレインにより、ムーンフェイズの誤差は577.5年でわずか1日という驚異的な精度を誇る。
5. パネライ「ルミノール パーペチュアルカレンダー GMT プラチナテック」

曜日・日付・月・閏年のすべてのカレンダー機能をリューズのみで調整できる永久カレンダー。曜日と日付はダイヤルの円周上に、月と年、閏年はケースバックから確認ができる。さらにGMT機能も備える。

『ようこそ、 ヴィンテージへ』
Pen 2025年8月号 ¥990(税込)
Amazonでの購入はこちら
楽天での購入はこちら