2025年にヘルノ（HERNO）から独立し、単一ブランドとして新たなスタートを切ったラミナー（Laminar）。本日6月25日、阪急メンズ東京3階で初となるロングポップアップストアがオープンする。約1年間という長期開催を予定するこの店舗は、独立後初の本格的な世界観を体験できる空間だ。

新生ラミナーが打ち出したのは、従来の黒で統一されたモダンな世界観からの大胆な転換だ。今回の店舗ではイタリアンヴィンテージと現代的ミニマリズムが融合。伝統と革新がコントラストをなしながら調和する、新たなラミナー像が立ち上がっている。

店内に足を踏み入れると、1960年代の記憶を呼び起こすような空気が流れる。チーク材とブラッシュドスチールで構成された「LP Wall」は、ヴィンテージレコードのライブラリーに着想を得た演出であり、ミッドセンチュリーデザインの幾何学的フォルムと素材感が、懐かしさと知性を宿す。無垢のオーク材とヴィンテージアイアンを組み合わせたハンギングシステムも見逃せない。加工を施さず自然な表情を残した木材と、中心に埋め込まれたLED照明が、吊るされたプロダクトにやわらかな光を落とす。

空間全体に漂うのは、「ゆっくりとした時間」を大切にするイタリア的美意識だ。朝の村の路地や、バールのエスプレッソ、新聞をめくる音。そんな日常の記憶を、デザインとして再構成したこの空間は、単なる売り場ではない。意志と詩が織りなす「感覚の装置」である。

このポップアップストアのコンセプトは、伝統の置き換えではなく、伝統から生まれ育ったイノベーションの表現にある。ラミナーの世界観をここまで包括的に体感できる場は、日本ではこのポップアップのみ。過去の記憶から立ち上がる、未来のパフォーマンスウェアの輪郭を、阪急メンズ東京で体感してほしい。