
トルコ在住の世界一背の高い女性ルメイサ・ゲルギさん(28歳)は、今年初め、世界各地を巡る計画を明らかにした。だが、彼女の旅行は簡単なものではない。飛行機のような公共交通機関を使うのにも様々な困難がつきまとうからだ。
ルメイサさんのInstagramにはそんな苦労を垣間見られる動画が掲載されている。彼女はストレッチャーに横たわって固定された状態で飛行機の機内に運ばれ、フライト中もその状態をずっと維持している。まるで重病人のような扱いであるが、これがルメイサさんのいつもの飛行機搭乗スタイルだ。彼女は目的地に着くまで、ストレッチャーに横たわったままの状態で過ごすのだ。動画はいいねを6000回以上獲得し、「素晴らしいね」「安全な旅を」と彼女のフライトを祝福するコメントが並んでいる。
高身長の原因は極めて稀な病気
身長215.16cmのルメイサさんは、現在生存中で「最も背の高い女性」、「最も長い指を持つ女性」、「最も長い耳を持つ女性」など、複数のギネス世界記録を保持していることでも知られている。つい最近も、「最も背の低い女性」と初対面して世界的な話題になった。
ルメイサさんの高身長の原因は、ウィーバー症候群という遺伝性の稀な病気だ。体の速すぎる成長速度のため、骨や神経系にも異常を抱えており、脊柱を支えるインプラントも挿入している。ちょっとした転倒でも大きなリスクになってしまうため、普段から車椅子や歩行器を使って移動しており、電車やバスも利用できない。飛行機にストレッチャーで搭乗するのも、ルメイサさんの体の負担とリスクを軽減させるためだ。
ストレッチャーが占める6シート分の代金を支払うこととなり、付き添いの医療スタッフが必要などコストもかかるが、母国のターキッシュエアラインズが実現してくれたこの特別措置にルメイサさんは深く感謝している。初めて飛行機に乗った2022年以来、彼女はスペイン、アメリカ、イタリア、イギリスなど多くの国を訪れている。今後は東京や京都、上海やソウルといった東アジアへの旅行計画を立てているという。
一番行きたい場所は…
しかし実のところ、ルメイサさんが一番行ってみたいと願っているのは、地元の世界遺産サフランボルだという。「とても近くに住んでいますが、残念ながらまだ訪れたことがありません。アクセスがあまり良くないんです」
歴史ある古い町並みや遺跡はその性質上、彼女のような移動に制限のある人々にとってはアクセス困難な場所になりがちだ。「移動する能力に関係なく、誰もが過去とつながる機会を持てるようになるべきです」と、ルメイサさんは今後、技術の進歩で画期的な方法が生まれることに期待を寄せている。
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【動画】ストレッチャーで飛行機に搭乗する様子
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【動画】世界一小さい女性とのツーショット