別府温泉からも日田下駄まで、大分を満喫する5つのスポット

  • 写真・文:鈴木修司
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ビームスジャパンの鈴木修司です。今月の旅は、大分県は別府と日田、どちらも馴染みの街ですが、こちらでの紹介は初めてです。

1.別府八湯のひとつ、「明礬(みょうばん)温泉」

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まずは別府ですが、言わずと知れた日本屈指の温泉地、豊かな湯量と多種な泉質は世界的にも稀有と聞いています。私が語るまでもなく、別府には“別府八湯”と呼ばれる八箇所もの温泉地が存在し、それぞれに個性があります。

これまでに一通り廻りましたが、今回あらためて訪れたのは、“明礬(みょうばん)温泉”。その目的といえば、別府名物の”湯の花“です。ある程度のお歳の方には知られたものですが、敢えて説明すると“天然の入浴剤“で、いまでも盛んに採取されています。採取? と思う方もいるかもですが、昔ながらに茅葺き小屋の中で大切に育った湯の花を、職人さんが丁寧に採取しているのです。

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以前よりお世話になっている“みょうばん湯の里”さんでは、採取した湯の花を、そこからまた贅沢に選別しており、とても貴重なものなのです。…にもかかわらず良心的な価格で、これは勧めずにはいられません。

しかも、こちらには同じく茅葺き小屋の貸切り温泉まであって、温泉好きには堪らない場所です。ちなみに、露天の大浴場(もちろん源泉掛け流し)もあり、あわせてオススメです。

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2. 「オット エ セッテ 大分」の温泉蒸しと「大和田鮨」の関サバ&関アジ

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その日の夕食も、温泉三昧。温泉水と温泉蒸気を使用したイタリアンレストラン(オット エ セッテ 大分)ですが、大分県内の食材に限り、近隣で醸造されたワインまで揃い、別府らしい落ち着く雰囲気と相まって、最高の夜となりました。

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ついでに、翌日のお寿司屋さん(大和田鮨)で頂いた“関サバ”と“関アジ”も絶品でした。こちらも私が語るまでもないですが、九州と四国が最も接近する(したがって細い)豊後水道は海流が早く、そこで生息するサバとアジは筋肉質で身の引き締まり方が半端ないのです。これを食べに行くだけでも、大分へ行く価値ありです。

3.天領の名残りを伝える「日田下駄」

次に向かったのは、かつて天領であった日田。天領(徳川幕府直轄地)である所以は、交通の要所であり、水や木材などの資源が豊富なことにありますが、それを元に文化や商業が大きく花開いた地域です。かつては九州の中心地であった言って過言ではなく、いまでもその名残りを感じ、文化度がとても高い街です。

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私と日田とのご縁は、当地の名産品である“下駄”です。地元で育つ上質な檜や杉を使用した“日田下駄”は、素材も造りも良いので知られています。私がディレクターを務める“ビームスジャパン”では、長らくトップクラスの人気商品です。

4.天領うなぎに舌鼓を打つ「いた屋本家」

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そして、日田といえば“日田焼きそば”が有名ですが、鰻料理もオススメです。“いた屋本家”さんの“天領うなぎのせいろ蒸し”は、とても美味しいものでした。素朴な味わいの中に、しっかりと鰻を堪能でき、クセになる感じです。

5.知られざる「日本一の生ビール」

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余談ですが、水に恵まれた日田には大手ビール会社の工場があり、地元民いわく日本一の生ビールも是非試して頂きたいです。言い過ぎじゃないくらい、フレッシュ極まりない美味しい生ビールです。

そして、日田の街中を流れる“三隈川”が、また美しいのです。夕陽時なんて最高ですが、街灯に照らされても絵になります。川沿いに栄えた温泉地ならではで、屋形船が多数浮かぶ川面を眺め、往時の繁栄を夢見ながら、お酒も話も深くなり、天領日田の夜は長くなったのでした。

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター鈴木修司が日本の魅力を紹介! 

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鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

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1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。