「パラッツォ・モルテーニ東京」リニューアルから『KARIMOKU RESEARCH Survey 02: TIMELESS CHANGE』まで【Penが選んだ今月のデザイン】

  • 文:猪飼尚司(デザインジャーナリスト)
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1.イタリア屈指のインテリアブランドの世界観を体現する空間

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外観はブロックを積み重ねたような壁と、その余白にバランスよくガラス窓を配置。角度によって異なる表情が表れるように工夫している。南青山の一等地にあるとは思えない、落ち着きに満ちた空間だ。

1934年創業のイタリアの総合インテリアブランドが、東京の直営店を大々的にリニューアル。「パラッツォ・モルテーニ東京」として新たな歴史を刻み始めた。地上3階・地下1階、総床面積1000㎡超えの広々とした空間には、静謐な穏やかさと品格のある優雅さが心地よく混じりあう。外観と居心地が一体になるようにと、建築、インテリアともに住宅を設計する感覚で同社のクリエイティブディレクター、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンが手掛けた。

パラッツォ・モルテーニ東京

住所:東京都港区南青山5-16-10
TEL:03-3400-3322
営業時間:11時~18時
定休日:水曜日、祝日 ※予約制

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2.多様化する暮らしの中で、時代を超えて残り続けるもの

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ポスタルコがデザインしたのは、箱型のモジュール家具「STAKKO」と幾何学的な立体形「Chunk」。組手の仕上げに、カリモク家具の技が生きる。濱田英明は作品『時間の面影-resemblance of time-』を発表。 Masaaki Inoue, Bouillon

カリモク家具が培った木工の知見を、新しいかたちへと発展させる「KARIMOKU RESEARCH」。最新プロジェクトでは、ポスタルコデザインスタジオと協業し、時間という概念にフォーカス。刻々と過ぎる時間の中で、普遍的なものと移ろうものの違いとは。棚、椅子、テーブルなど状況に応じて姿を変えるモジュール家具、そしてフォトグラファー・濱田英明による写真という2つのメディアを通じて、来場者に「TIMELESS」の意義を問いかける。

『KARIMOKU RESEARCH Survey 02: TIMELESS CHANGE』

開催期間:~8/8
会場:KARIMOKU RESEARCH CENTER
開館時間:12時~18時
休館日:土曜日、日曜日
www.karimoku-research.com

※この記事はPen 2025年7月号より再編集した記事です。