テニスコートとストリートの境界が曖昧になりつつある今、その流れを決定づけるコレクションが登場する。ニューヨーク発のライフスタイルブランドKith(キス)と、テニス界の老舗Wilson(ウイルソン)による「Kith for Wilson 2025」。手掛けるのは、キスの創設者ロニー・ファイグ。彼が描くのは、競技の枠を超えたテニスライフスタイルだ。

まず注目したいのが、3本のコラボレーションテニスラケットだ。復刻版の「Pro Staff 97 VL14」と「Blade 98」、そして新作の「Shift 99 V1」。いずれもキスのカラーパレットから採用した配色で再設計され、ウイルソンの革新技術と卓越したクラフトマンシップが結実した製品に仕上げられている。

オンコート向けには、通気性と快適性を追求しながらも激しい動きに対応する機能性を備えた「Doherty Polo」や「Coaches Jacket」、「V-Neck Polo」などが並ぶ。これらのアイテムはウイルソン独自のテクノロジーを搭載。全アイテムにカスタム仕様のダブルネームロゴが施されている点も特徴的だ。

一方、オフコート向けでは趣が変わる。キスのシグネチャーシルエットに、テニスから着想を得たアートワークとクラシックなグリーン&ホワイトの配色を採用。「Dobby Track Jacket」や「Wool Simon Blazer」といったアイテムは、試合観戦から日常使いまで幅広いシーンで活躍してくれるはずだ。

見逃せないのがウィメンズラインの充実ぶり。速乾性と通気性に優れた素材で仕立てられたドレス、ポロシャツ、スポーツブラなどを展開。深みのあるグリーン、ブルー、ホワイトを基調としたカラーパレットが、多彩なパターンバリエーションを生み出している。

販売は東京・大阪のキス店舗をはじめ、グローバル全店舗およびオンラインで行われる。テニスという伝統的なスポーツに、現代的なストリートカルチャーの感性を注入したコレクション。無難なアイテムを選びがちな日常に、こうしたアクセントピースがひとつあるだけで、装いの表情は格段に豊かになりそうだ。