頑張って肌をデオドラントしても、なぜか服からイヤな臭いが漂ってくる。汗だくになる夏が訪れるたびに憂鬱になる者が実体験から見つけ出した、悩み解消の5つのライフハック。
1. ポリエステルを着ない

まずは基本中の基本を押さえよう。ポリエステルの服を着てはいけない。ポリエステルは扱いやすさ、軽さ、美しさなどで世界繊維生産量の57%(2022年度統計。Textile Exchageによる24年6月のレポートより)を占めるほど衣料品にもよく使われる素材だ。
夏における弱点は、水分を吸収せず脂分を吸着してしまうこと。体臭を消さず蓄積してしまう。石油由来の繊維に共通する特性である。ただしカナダのアルバータ大学の研究によると、ナイロンはポリエステルより体臭を防ぎやすい可能性も考えられるそうだ。
ただしポリエステルに臭いの原因となる細菌の繁殖を防ぐ抗菌・防臭加工が施されているなら、臭う心配は少なくなる。
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2. ウールを着る

何日も服を着替えられない登山家たちが古くからウールの肌着を好むのは、山に必要な保温力だけが理由ではない。ウールやカシミヤなどの動物の毛に強い防臭効果があることが知られているからだ。
日常着でも臭いを防ぎたい人がまず選ぶべき筆頭候補はウールである。最近はSDGsの観点もありTシャツでもウールを使うファッションブランドが増えてきた。肌にベタつかず滑らかで、洗濯機洗いOKなものが大半だ。
素材はなるべく100%に近いウールを選ぼう。約半分がポリエステルのスポーツメーカーのTシャツを長時間着たとき、やはりイヤな臭いがついてしまった。さらにウールがベースだから洗濯時に消臭効果の高い漂白剤を使えず、臭い取りにかなり苦労した(実体験に基づく)。
ウール100%のTシャツはコットンと比べると吸水・発散・耐久性に劣り、価格も高くなる。それでも臭いに悩む人の助けになる救世主のような服だ。
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3. 乾きが早いリネン(麻)を着る

植物由来の天然素材に消臭効果はあまり期待できない。そのなかでも夏のリゾートの定番、リネンは比較的臭いにくい印象だ。
含まれる成分のペクチンやリグニンの効果で、汚れが内部に染み込みにくいとされている。洗剤を使わず水洗いだけでもリネンがきれいになりやすいのは、こうした成分の賜物のようだ。
リネンの臭いにくさは、驚くほど乾きが早い素材特性にもあると考えられる。水分がなければ細菌が繁殖しなくなるからだ。
ただし伸びない繊維だからニット類では目が詰まった生地をつくりにくく、Tシャツだと薄く透けるものが多い。購入のさいはその点も頭に入れておこう。
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4. 抗ウィルス「VIBTEX」を着る

風合いのいいコットン100%なのに驚異的な臭いのつきにくさを実現させた「VIBTEX(ビブテックス)」。新型コロナ禍の2020年に誕生した日本の抗ウィルスのテキスタイルブランドである。グラフィックにも優れたファッション性の高さも魅力だ。
「鉄・カリウム・アルミニウム・チタン・ゼオライトなどの成分が、空気中の酸素と水分と化学反応し、細菌やウイルスなど有害物質の分解を促進します」と公式に説明されるVIBTEX。彼ら自身のアパレルはロゴ入りが大半だが、ここに掲載しているユナイテッドアローズ別注Tシャツ(アーカイブ)は表面にロゴなしのミニマルデザイン。シンプル好みの人はこのような別注品を探してみてはいかがだろうか。
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5. 「ザ・ノース・フェイス」の速乾Tシャツを着る


汗で濡れた状態が細菌の繁殖を促すなら、とにかく早く乾かすことが鍵になる。速乾機能のあるスポーツウェアは世に多くあるが、大半が化繊素材。臭いが不安だし見た目も街着に採用しにくい。
そこでザ・ノース・フェイスから新登場したTシャツが気になってくる。スポーツウェアの速乾機能とコットン素材の味わいを一体化させたものだ。コットン100%で触っても機能服とは思えない自然な仕上がり。臭いにくさは未知数ながら、一般のコットンTシャツを上回ることが期待される。
汗ばむ程度のジムでのワークアウトや、街中での短いランニングにもよさそうだ。この吸汗速乾Tシャツは洗濯での乾きも早いから、脱いだら放置せず軽く水洗いしておこう。マメなケアが臭い対策にもつながっていく。

THE NORTH FACE
www.thenorthface.jp

ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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