ワインの祭典「ローワイン トウキョウ 2025」で発掘! ワイン担当編集者が選ぶ、最新自然派ワイン9選

  • 文:フィガロジャポン編集部
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「フィガロワインクラブの生の声が聞ける」とご好評(?!)の連載、「フィガロジャポン編集部の、ワイン本気飲み!」。今回は番外編、編集部を飛び出して自然派ワインの祭典「RAW WINE TOKYO 2025(ローワイン トウキョウ)」の現場に潜入しました。

「ローワイン トウキョウ」は世界15カ国以上、90以上の⾃然派ワインの⽣産者が集まり、来場者は直接⽣産者や醸造家と交流しながら100種以上の自然派ワインのテイスティングと、ワインに合わせたフードを楽しめるイベント。日本開催2回目となる今回、多くのインポーターや自然派ワインのファンたちが詰めかける中、フィガロワインクラブ取材チームは会場内のフードコーナーで好きなものを買い込みつつ、各々好きな生産地からバラバラと回っていく方式に......。用意された休憩用テーブルでミニ品評会をやってみたり、バルバレスコの生産者と30分以上も話し込んでしまう副部長、ティモシー・シャラメ似の生産者に目がハートマークになってしまう編集者Eなど、カオスな状況の中、いつしか流れ解散に......(笑)。

後日、楽しい思い出とともにそれぞれが「おもしろい・大好き!」なワインを振り返りました。日本未輸入のものもありますが、ぜひ生産者のインスタや今後の動向もチェックしてみて。

今回の試飲参加者:

浅妻千映子 J.S.A.認定ワインエキスパート。雑誌やウェブメディアで取材、執筆する傍ら、ワインスクールのアカデミー・デュ・ヴァンでワイン&クッキングクラスの講師をしていた経験も。『東京最高のレストラン』(ぴあ 刊)の採点者を約20年務めている。好きなワインのタイプは海、汗、火花、キノコ、鉄棒、鉛筆など感じる、ミネラル系。

まりモグ フィガロジャポン編集部、本誌グルメ担当、「ワインクラブ部長」(自称)。2021年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。小中学校を北京で過ごしたアジア系帰国子女。両親の影響で小学校2年生から「dancyu」と「美味しんぼ」を愛読。好きなワインのタイプはブルゴーニュをはじめとした冷涼地系。

カナイ フィガロデジタル編集部、WEBグルメ担当、「ワインクラブ副部長」(自称)。2023年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。ホテルの配膳バイト→和牛を扱う飲食店に勤めた後、いろいろあって編集者に。好きなワインのタイプはイタリアをはじめとした日当たり良好系。

エザワ Pen編集部グルメ担当。2024年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。大学時代にフランスのホームステイ先で毎日ワインを振る舞われた結果、どっぷりとワイン沼にハマる。ワインとチョコレートに目がない。好きなワインのタイプは、スパイス味の強いクセ強系と、酵母感じる微発泡など。

>>これまでの「フィガロジャポン編集部の、ワイン本気飲み!」連載はこちら

以下、ワイン名|ワインのタイプ|生産者名(ワイナリー所在地)/推薦者の順に表記しています。

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1. ヴィエン メイク! 2023|オレンジワイン|グランハ・ファーム(イタリア、ピエモンテ州)/推薦者・浅妻 

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「VIEN MAKE! 2023」750ml /Granja Farm(写真左、日本未輸入)。「果皮に長時間浸潤させたノマドなオレンジワイン」と生産者のオフィシャルコメント。その言葉どおり、ワイナリーのあるピエモンテではなくマルケ州のブドウを使っている模様。品種はマルケ州の土着品種ビアンケッロ、マルヴァジア・プンティナータ。

「チラッと見える写真からわかるように、標高1000m以上のかなり標高の高いところでブドウを栽培しているとのこと。その高さと空気が伝わるような、冷涼な透明感を感じつつも果実味が豊か。細長ボトルとこの色から予想する味が裏切られることなく口に伸びる」(浅妻)

Granja Farm

RAW WINEデータ:www.rawwine.com/profile/grangiafarm
インポーター公式サイト:https://indigo-online.com/collections/achillee
Instagram :@granja__farmer

2. 綾TOPIA 2023|白・微発泡ワイン|香月ワイン(日本、宮崎県)/推薦者・浅妻

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「綾TOPIA 2023」750ml ¥3,960/香月ワイン ワイナリー横にある畑で収穫した巨峰、ナイアガラ、ポートランドの3品種で醸造。穏やかな発泡感と9%の低アルコール。「白桃や、リンゴ、柑橘を連想させる爽やかな香り。口に含むと、柑橘系のフレッシュで程よい酸が広がるとともに、程よい苦みも感じられる。鶏肉のお料理とのマリアージュがおすすめ」とオフィシャルコメント。

「なんという繊細なミネラル感......! 果実味はそれほど感じないが、線の細いミネラルがたくさん詰まったような立体感。頭の中に浮かんだのは『霜柱』。あれをサクッと踏んだ快感を思い出させるクリアな飲み心地」(浅妻)

香月ワイン

RAW WINE データ:www.rawwine.com/profile/katsuki-wines
公式サイト:www.katsukiwines.com
Instagram:@katsukiwines

3. インディチプリナート 2022|オレンジワイン|テヌータ・サン・マルチェッロ(イタリア、マルケ州)/推薦者・浅妻、副部長カナイ

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「INDISCIPLINATO 2022」750ml /Tenuta San Marcello(日本未輸入)。地ブドウ、ヴェルディッキオを60%クヴェヴリ(=アンフォラ、陶器製の甕)で、40%スチルタンクで熟成。「編集者E」が心を奪われてしまった、ティモシー・シャラメ似(?)のワイナリー担当者。

「ほどよい重さ。アンフォラ熟成の由来なのか、クリアすぎない複雑味が心地いい。白ワインから赤ワインまで、飲んだもの、全てとってもおいしかった!」(浅妻)

「マルケ州を代表する白ワイン品種ヴェルディッキオ。高い酸味を生かせばフレッシュさを、アーモンド感を生かせばクリーミーな熟成感が。このワイナリーではステンレスタンクだけ、アンフォラとステンレスタンクの組み合わせバージョン、アンフォラ熟成だけ、というパターンに分けて、それぞれの魅力を表現しているのがとても素晴らしい」(副部長カナイ)

Tenuta San Marcello

RAW WINE データ:www.rawwine.com/profile/tenuta-san-marcello
公式サイト:https://tenutasanmarcello.net
Instagram:@tenutasanmarcello

4. インスタビレ・ペット・ナット 2023|白・スパークリングワイン|ビンス・ヌス(スペイン、カタルーニャ州)/推薦者・浅妻、まりモグ

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「inStabile Pet Nat 2023」 750ml ¥5,600/正光社 粘土質の土壌、バイオダイナミック(ビオディナミ)農法で育てたグルナッシュ・ブラン80%とグルナッシュ・グリ20%。生産者コメントより、「繊細な泡、柑橘、そして非常にフレッシュなミネラル」。

「レモンっぽい酸味のあるペットナット。綺麗なレモンハイのようで、いくらでも飲めそうで危険!?」(浅妻)

「まさに大人のレモンスカッシュ。お風呂上がりにガンガン冷やしてごくごくいきたい。塩っぽい感じもあるので、ソルティードックのフチを舐めている感じも」(部長まりモグ)

Vins Nus

RAW WINE データ:www.rawwine.com/profile/vins-nus
インポーター公式サイト:www.sunseikowines.com/vinsnus
Instagram:@vins.nus

5. ペパン ペティヤンナチュレル NV|白・スパークリングワイン|ペパン(フランス、アルザス)/推薦者・まりモグ

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「Pepin Petillant naturel」 750ml ¥4,200/アンディゴ アルザス地方でバイオダイナミック農法によって造られたピクプール、ユニ・ブラン、シャルドネをブレンド。「レモン、ライムの香りにメンソール、白胡椒のニュアンス」と生産者からコメント。

「会場に着いて最初に飲んだ一杯が、アルザスのペットナット。ナンバーワンの好み。爽やか柑橘系だけど、キュンキュンくるような酸味ではなく心地よく。品がいいのにご機嫌なラベルも◎。やっぱり『北』が好き......」(部長まりモグ)

Pepin

RAW WINE データ:www.rawwine.com/profile/pepin
インポーター公式サイト:https://indigo-online.com/collections/pepin
Instagram:@pepin.vin

6. リオボ|ロゼ・スパークリングワイン|ヴィテ・スパルセ(イタリア、ロンバルディア)/推薦者・まりモグ、エザワ

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「Riobò」750ml / Vite Sparce(日本未輸入) ヴィテ・スパルセとベルジャンティ・ヴィーノのコラボレーションから生まれたスパークリングワイン。ソルバーラとウバ・オリヴァをブレンドし、冷凍果汁を用いて瓶内発酵。

「ロンバルディアだから、これも北。ちょっとマメ感があったけど、嫌なマメではなかった(嫌いな人もいるかも ※マメ臭:醸造の過程で生じた、煮た茶豆、ポップコーンのような香りのこと)。これまた、ジャケットが好き。ピンクが好きなんです」(部長まりモグ)

「ランブルスコというと"主張がつよつよ"のイメージだったのですが、さっぱりしていてなんにでも合わせやすそうというところが推しポイントです。あと、ロンバルディアの小規模生産者を支援するという活動を積極的にやっているようなのですが、そういったコンセプトもよいな〜と思いました」(エザワ)

Vite Sparce

RAW WINE データ:www.rawwine.com/profile/pepin
公式サイト https://vitesparse.it/en
Instagram:@vitesparse

7. ヴィルドゥ ロゼ|ロゼ|ダッセムス(オランダ、ブラバント州カーム)/推薦者・エザワ

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「Wilde Rose」750ml ¥4,598/VD'Oヴァンドリーヴ カベルネ・カントール、カベルネ・ジュラというPIWI品種(病原菌に対して強い耐性を持つアメリカ系やアジア系のブドウ樹と、ヨーロッパのブドウ樹を交配させたブドウ樹)を50%ずつ使用。認証を受けたバイオダイナミック農法で、海抜と同じくらいの標高で葡萄を栽培しているという。

「『その他の国』コーナーで発見、フルーティな後味とフローラルな香りが上品でした。あと圧倒的にジャケットがかわいい!」(エザワ)

「これ、特集『ワインがあれば、人生は楽しい!』世界のワイン編で柳さんが紹介してくれた『バラだかタコだかわからないラベルのイラスト』だ! ここで会えるなんて......(笑)」(部長まりモグ)

Dassemus - Wijngaard

RAW WINE データ:www.rawwine.com/profile/dassemus-wijngaard
インポーター公式サイト:https://vinsdolive.com/pages/winery-netherlands-dassemus
Instagram:@wijngaard_dassemus

8. アキレ ピノ グリ 2021|オレンジワイン|アキレ(フランス、アルザス)/推薦者・エザワ、カナイ

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「Achillée Pino Gris 2021」750ml ¥6,000/アンディゴ アルザスでも砂質の土壌で育たられたピノ・グリを使用。3週間の急速発酵後、澱とともに9ヶ月間熟成。

「『超濃い甲州?!』と思うようなお漬物の香りが最高。濃度の高い出汁のような味わいでこれとサバ缶で渋く晩酌したくしたいと思いました。日本人に薦めたいアルザスワイン」(エザワ)

以前、収穫のために畑まで出かけたことがあるほど、醸しのピノ・グリの味わいを愛しています。紅茶、フレーバードティーのような乾いた花のニュアンスに、余韻まで長く続く胡椒のスパイス感とキノコ、そして塩味で締める......。大好きです(迫真)」(副部長カナイ)

Achillée

RAW WINE データ:www.rawwine.com/profile/achillee
インポーター公式サイト:https://indigo-online.com/collections/achillee
Instagram:@drink_achillee

9. クル・オッテ 2021|赤ワイン|ファビオ・ジェア(イタリア、ピエモンテ)/推薦者・カナイ

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「Cul Otte 2022」750ml ¥9,460/ノンナアンドシディ ピエモンテ州、バルバレスコ村近郊のネイヴェ村で収穫したネッビオーロを100%使用。こちらは生産者ファビオ・ジェア。博士号を持つ地質学者で、祖母から引き継いだ畑を受け継ぐと、もともと自然派的造り方をしてきたブドウ造りをさらに先鋭化。アグリツーリズムにも力を入れている。

「ボトルの形が特徴的なネッビオーロ100%の赤ワイン。規定どおりにバルバレスコも造っているのですが、こちらは『陶器製のアンフォラを造って中にワインを納め、池に浮かせ魚の起こす揺れの中でワインを熟成させる』......って、なんかすごい不思議な造り方! ネッビオーロが持つエレガントさ、スミレの香り、フレッシュさが際立っている、ピエモンテ好きにはぜひ一度飲んでほしい赤ワイン」(副部長カナイ)

Fabio Gea

RAW WINE データ:www.rawwine.com/profile/fabio-gea-la-msoira-e-l-rastel
インポーター公式サイト:www.nonnaandsidhishop.com/fabio
※ファビオは「循環型農法を守るためには広告、SNSによる大量消費は向いていない」と語り、生産者自身のSNSや広報用のwebサイトを持っていない、という徹底ぶり!

RAW WINE

www.rawwine.com
Instagram:@rawwineworld

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