離島がアツい! 沖縄の美しい建築が光るホテル3選【2025年最新】

  • 文:松浦 明
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近年、ますますリゾート地として進化が止まらない沖縄。碧い海に抱かれ、非日常の島の時間に心をほどく。美しき静寂と建築が美しい、最新隠れ家ホテルを紹介。

1.ローズウッド宮古島

〜離島の“私邸”で味わう贅。海と調和する新時代のラグジュアリー〜

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海とつながるインフィニティプール。琉球石灰岩など自然素材をふんだんに用い、宮古ブルーや白い砂浜の色合いを細部まで活かしたデザインは周辺に広がる自然と美しいハーモニーを奏でる。

碧く澄みわたる海に囲まれた沖縄県宮古島に、ラグジュアリーホテルの新たな旗艦が誕生した。「ローズウッド宮古島」は、世界的ホテルブランド「ローズウッド ホテルズ&リゾーツ」が日本で初めて手がけるリゾート。その誕生はこの島の風景に新たな体験と美意識をもたらしている。

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ターコイズに輝く浅瀬から、深く碧い水平線まで。贅沢な海景を思うままに楽しめるインフィニティプール。

琉球建築の精神を現代的に昇華した全55棟のヴィラは、すべてがプライベートプール付き。オランダのデザイナー ピート・ブーン率いるスタジオ・ピート・ブーンによる建築・デザインは控えめながらも質感に富み、静けさと贅沢さが見事に調和する。島の自然と共鳴するようにデザインされた空間は、訪れるものに深い安らぎを与えてくれる。

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「ヴィラ」と「ハウス」の2タイプからなる客室。どの客室からも息を呑むような宮古島の碧い海を望むことができる。

 

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「アヤサ・スパ」。ローズウッドの先進的なウェルネスブランド「アサヤ」が提案する至福のリトリート体験を提供する。

食の体験もまた、この地の恵みを見事に表現している。「命草(ぬちぐさ)」と呼ばれるビタミンやミネラルを豊富に含んだ沖縄食材とフレンチや和の技法が織りなす料理は、単なる味覚を超えた“記憶に残るひと皿”となる。

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ローズウッドが掲げる「ア・センス・オブ・プレイス」は、宮古島という土地の記憶を丁寧に掘り起こし、新たな物語として紡いでいく。ここはただの滞在先ではない。まるで私邸のようにくつろぎながら、島の本質を五感で味わう――そんな体験が待つ、唯一無二のリゾートなのだ。
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ローズウッド宮古島

住所:沖縄県宮古島市平良字荷川取1068-1
TEL:0980-79-8899
www.rosewoodhotels.com/jp/miyakojima

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2.BATON SUITE 沖縄古宇利島

〜絶景に身を委ねる、古宇利島の“モダン・スイート・リトリート”〜

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愛犬(10kg以下/1匹まで)と一緒に宿泊可能な専用庭とテラス付き「バトン ヴィラスイート」。

2025年3月、古宇利島の海辺に誕生した「BATON SUITE 沖縄古宇利島」は、ダイワロイネットホテルズを経営する大和ハウスリアルティマネジメント株式会社初のリゾート型ラグジュアリーホテルだ。エメラルドの海と古宇利大橋の絶景に迎えられ、ゲストは“暮らすように過ごす”贅沢な時間へと誘われる。

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古宇利大橋の絶景が出迎えるレセプションエリア。

 

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ゆったり寛げるリビングダイニングのソファ、ホテル特注のシモンズ製ベッド、特注サイズのデイベッドを備える室内。忙しい日常から離れ、離島バカンスを満喫したいお篭り派や長期滞在にも寄り添う。

全35室は67.4㎡のスイート仕様。高天井と広々としたバルコニー、ミニキッチン(一部の客室のみ)やドラム式洗濯機まで備えた設えは、長期滞在にも理想的だ。全室オーシャンビューで、島時間にゆったりと身を委ねられる。 

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世代を問わず好評なアメニティは日本発のフレグランスブランド「ショーレイヤード」。ドライヤーとヘアアイロン2台(カール/ストレート)、シャワーヘッドはいずれもリファ製を備えるなど、アメニティの充実度は島内随一を誇る。

 

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エメラルドの海へとつながるインフィニティプール。ここからも“美橋”と称えられる古宇利大橋の絶景を楽しみたい。

併設のレストラン「オクトー」では、国内でまだ数台とされる希少なスペイン製ジョスパーチャコールオーブンを駆使した料理に注目。地元の魚介や島野菜、県産和牛を(極限まで)香ばしくジューシーに焼き上げる料理は、ひと皿ごとに小さな発見や滋味あふれる沖縄の風土が薫る。この地ならではの“地中海グリル料理”は、ぜひ滞在の夜に味わいたい。

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オクトーの店内。朝から日没にかけて、ここから望む絶景がまた格別。

 

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県産島ダコの足1本を丸ごと贅沢に使った店の看板メニュー「島タコとサルスエラのパエリア 島ニンニクのアイオリ」は、島ニンニクのアイオリソースと和える仕上げを目の前でパフォーマンス。ジョスパーチャコールオーブンで外はカリッと香ばしく、中は驚くほどやわらかな島ダコの旨味とジューシーさがインパクトを放つ。

観光の拠点としてだけでなく、ただひたすら“何もしない”豊かさを見つめ直す。アウトプットし続ける日常から距離を置き、五感を潤すように穏やかな時間の流れを味わいたい。

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BATON SUITE 沖縄古宇利島
住所:沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利480-2
TEL:0980-56-5500
www.daiwaroynet.jp/batonsuite-kourijima

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3.YAWN YARD Kouri Island

古宇利ブルーを望む、“庭”に泊まるヴィラリゾート〜

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“庭”を含む総面積は100㎡。ソファーとローテーブルを備えたリビングがある(sea)のツイン。定員4名でゆったりと過ごすことができる。/写真:深尾大樹(以下同)

沖縄・古宇利島に昨夏誕生した「YAWN YARD Kouri Island」は、全8棟のヴィラで構成されたプライベートリゾート。泊まれる庭をコンセプトとしたユニークな宿泊体験が、旅の概念に新しい息吹を吹き込む。“あくび”を誘うような、緑・光・水が織りなすランドスケープと、島時間の中で静かに呼吸するような空間が印象的だ。

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ミニマルな空間の中に美意識をくすぐるさまざまな気づきが織り込まれ、日がな1日のんびりと過ごす時間を贅沢なものに変えてくれる。

設計を手がけたのは、スキーマ建築計画の長坂常。沖縄の古民家の建築・構造美を継承しながら、モダンかつミニマルな美意識を織り込んで再編集。琉球石灰岩を用いた重厚なカウンターや、屋外のダイニングテーブル、海を眺めるためのローチェアや手元を照らすためのトーチ型の照明に至るまで、細部に土地への敬意が息づく。

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寝室からピクチャーウィンドウを介して海が見える(sea)キング。大きな窓はスライド式で、全開にするとプールや海景と一体になる感覚が味わえる。

すべてのヴィラには加温式のインフィニティプールを備え、1年を通して、島の海と空に溶け込むような時間を体験できるのも魅力。室内外がゆるやかにつながる設計は、自然と人の関係を再定義してくれる。

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深い眠りへと誘う心地よい寝具。ルームウェアは沖縄のアパレルブランド「レキオ」のオリジナルデザイン。
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それぞれの“庭”で楽しむことができる「シティミティムン(朝食)」は3種からチョイスが可能(写真は「ぼろぼろジューシー朝食」)。レシピは沖縄の家庭料理に息づく「クスイムン」の精神(医食同源に通ずる考え方)をベースに提案される。

“泊まる”という概念を超えて、島の空気と暮らしに身を委ねるような感覚。YAWN YARDは、そんなありそうでなかった離島滞在の本質的な魅力を静かに提示してくれるのだ。

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YAWN YARD Kouri Island

住所:
(sea)沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利1837(hill)沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利1792-1

TEL:0980-56-1128
www.kouriisland.yawnyard.com