6月14日から15日にかけて開催された「ル・マン24時間レース」。1923年の創設以来続くこの伝説的なレースに、2001年からオフィシャルタイムピースおよびエクスクルーシブ メジャーパートナーとして関わるのが、スイスの名門腕時計メーカー、ロレックスだ。両者の間には、単なるスポンサーシップを超えた深い絆がある。精密性、耐久性、そして卓越性への飽くなき追求——時計製造と耐久レースが共有する価値観こそが、この特別な関係を支えている。では、その舞台となるフランス・サルトサーキットで繰り広げられた人間とマシンの限界への挑戦を、ロレックスとともに振り返ってみよう。

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史上最多9勝の男が語る、勝利とロレックスの特別な関係

「ミスター・ル・マン」と呼ばれる男がいる。トム・クリステンセンだ。1997年から2014年まで17年間にわたってル・マンに参戦し続けた彼は、史上最多となる9度の優勝、そのうち6年連続という前人未到の偉業を成し遂げた。その歩みは、まさにこのレースの近代史そのもの。クリステンセンはポルシェ、BMW、そしてアウディという名門マニュファクチャラーのマシンを駆り、時代とともに進化する技術と戦い続けてきた。特に2000年から2008年にかけてのアウディ時代は圧巻で、8年間で7勝という驚異的な成績を残している。
「ロレックスの時計を見るたびに、自分の成し遂げたことを振り返り、レース中の瞬間や大会全体の記憶がよみがえります。ル・マンで勝利し、獲得したロレックスのコスモグラフ デイトナの裏蓋には特別に刻まれたロゴと"WINNER" の文字が刻印されており、それがとても個人的にも意味があることで、時計の価値をさらに特別なものにしてくれます」
彼が語ったこの言葉の背景には、単なる成功の証という以上の意味がある。24時間という過酷な時間軸の中で、一瞬の判断ミスが命取りとなる世界。そこで勝利を重ねるためには、時間に対する絶対的な信頼が必要だ。クリステンセンにとって、ロレックスは勝利への決意を形にした相棒とも言える存在であり、レースでの最初の決意を思い出させてくれる、人生の軌跡そのものなのである。
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F1王者と女性パイオニアが挑んだ、2025年の新たな物語語

F1で培った経験を武器に、ル・マンの舞台に立つジェンソン・バトン。© Julien Delfosse/DPPI
今年のル・マンでは、新たな物語が展開された。2009年のF1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンが、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAの一員として満を持して参戦したのだ。クリステンセンと同じくロレックス テスティモニーである彼は、耐久レースの魅力をこう語る。
「耐久レースが魅力的なのは限界を突破する競技だからです。私が特に惹かれるのは、レーシングカーが24時間にわたりフルスロットルで走り続けることができる点です。あらゆるパーツが最大限のパフォーマンスを発揮し、レースの間ずっと限界に挑み続けるのです。レーシングカーと同様に時計も精確性と持続的なパフォーマンスが求められます。耐久レースとロレックスのタイムピースはともに技術の限界を追求する精神を体現しており、それこそがロレックスがこのスポーツの最高峰の選手権とパートナーシップを築いている理由なのです」
そしてもう一つ見逃せないのが、女性ドライバーのパイオニア、ジェイミー・チャドウィックの初参戦だった。女性ドライバーの挑戦が珍しいル・マンで、LMP2クラスでアイデック・スポーツチームから参戦した彼女の成功は、女性の活躍の場を広げる重要な一歩となった。彼女もまた、ロレックス テスティモニーの一員だ。

バトン、クリステンセンと肩を並べるジェイミー・チャドウィック(写真右)の活躍は、女性ドライバーの地位向上と参戦機会拡大の先駆けとなる可能性を秘めている。© Rolex/Andrew Baker
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1930年代から続く、時計製造と耐久レースが共有する価値観

ロレックスと耐久レースの関係は、1930年代のサー・マルコム・キャンベルによるデイトナビーチでの世界最速記録樹立に遡る。以来、この腕時計メーカーは一貫してモータースポーツの最高峰を支援し続けてきた。その背景には、創立者ハンス・ウィルスドルフが掲げた「実用性と信頼性」という哲学がある。極限状態でも精確に時を刻み続ける時計の開発こそが、ロレックスの使命だったのだ。
ル・マン24時間レース、ロレックス デイトナ24時間レース、セブリング12時間耐久レース。耐久レースのトリプルクラウンすべてにロレックスの名前が刻まれているのは、決して偶然ではない。これらのレースが要求するもの——卓越した技術、信頼性、耐久性、そして精確性——は、まさにロレックスが時計製造において追求し続けてきた価値観と完全に一致するのだ。今年もまた、サルト・サーキットで新たな伝説が刻まれた瞬間を、ロレックスは静かに見守ったのだった。

日本ロレックス
TEL:0120-929-570
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