
2025年7月1日、イタリアのトスカーナの名門であるテヌータ・ルーチェが、新ヴィンテージ「ルーチェ2022年」をリリースする。1993年のファーストヴィンテージから30年目のアニバーサリーヴィンテージとなる「2022年」は特別パッケージ仕様となり、発売前から注目が集まっている。
テヌータ・ルーチェは、トスカーナ地方で1000年以上にわたりヨーロッパの貴族のワインを醸造してきたフレスコバルディ家と、アメリカを代表する有名ワイナリー「オーパス・ワン」を生み出したモンダヴィ家のジョイント・ベンチャーとして1995年に創設された。
ワイナリーを立ち上げたのは、名家出身のヴィットリオ・フレスコバルディと、アメリカのカリフォルニアワインを世界に知らしめた天才醸造家、ロバート・モンダヴィという20世紀を代表するふたり。これまでにない新たなイタリアワインをつくろうと意気投合。創設後、瞬く間にスーパータスカンを代表するワインとしてその名を知らしめた。現在はヴィットリオの息子であるランベルト・フラスコバルディがその意思を引き継いでいる。
ちなみにスーパータスカンとは、トスカーナ州でつくられるイタリアのワイン法に縛られない高品質なイタリアワインの総称。トスカーナらしさを大切に従来の格付け基準の枠にとらわれない自由な発想でつくられたワインは、格付けこそされていないものの、80年代から世界で絶大な人気を誇っており、イタリア好きなら飲んでおきたいワインだ。

なかでもテヌータ・ルーチェのフラグシップワインであるルーチェは、同州の銘醸地・モンタルチーノで初めてイタリアの土着品種であるサンジョヴェーゼを主体に、まろやかでやわらかな国際品種のメルローとのブレンドでつくられた。
その味わいは、イタリアらしい力強さとボルドーワインを思わせるようなエレガントさが特徴。誕生以来、これまでのモンタルチーノの常識を覆したユニークなワインとして、いまもなお愛され続けている。
この複雑味あふれる味わいは、ブレンドもさることながら、優れたブドウの生育環境にも由来する。オーガニック、持続可能な農業を目指して、極力手を加えず、土壌から最高の果実の表現を引き出すことを信念に、その土地特有の環境を活かしてきたからこそ体現できるのだ。
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今回リリースされた22年は、そんなエレガントなヴィンテージの数々の中でも、スグリやザクロなど赤い果実のフレッシュさと繊細なフローラルな香りが印象的。口に含むとまろやかで、生き生きとした味わいにほんのり甘いタンニンが広がる複雑味あふれる味わいは、まさにスーパータスカンの威厳を体現したような一本だ。
イタリアの太陽の恵みを存分に体現した、「テヌータ・ルーチェ ルーチェ2022年」。名前に冠された太陽の“光”そのものを思わせるようなブドウの果実味が濃縮された一杯は、この夏のアペロタイムにもぴったりだろう。30年の節目という記念すべきヴィンテージをぜひ自身で味わってみてほしい。
