グルメな台湾人からも一目置かれている美食の都、台南。台湾の食文化を知り尽くすフードコーディネーターの大大(ダァダァ)が、台南の食の魅力を「のど越し」「頬張り」「甘やかし」に分けて、お薦めの店へ案内してくれた。本記事では「甘やかし」をテーマに4店を紹介。
飛び立てば、4時間程度であっという間に到着する異国、台湾。まるで国内旅行のような気分で行ける身近な距離でありながら、そこには日本とはまったく違う世界が広がっている。いま体感すべき台湾の魅力は、「古さと新しさの出合い」。さあ、“OLD MEETS NEW”な台湾を探しに、出かけよう。
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100年続く老舗の手焼き菓子は、台南でマストバイな土産物



甘い香りに導かれてたどり着くここは、創業100年を超える手焼き菓子店。日本統治時代に蔡清連、蔡清得の兄弟が九州の職人から菓子づくりを学んだのが始まり。兄弟の名から1文字ずつ取って「連得堂」と命名された。初代の頃から素材も手法も変わらぬ焼き菓子の優しい甘さがノスタルジーを誘う。
連得堂餅家(リェンダァタンビンジャー)
住所:台南市北區崇安街54號
TEL:06-225-8429
営業時間:8時〜18時
定休日:日
ピュアな甘さが郷愁を誘う、南部っ子たちのアイス

昔ながらの小さなキューブアイス「芋仔冰(オアビン)」。タロイモアイスという意味だが、タロイモ以外にピーナッツ味などもある。「草湖芋仔冰(ツァオフゥーオアビン)」5つで60元



創業1957年、当初から製法を変えることなく続くアイス専門店。おいしさの秘訣は野菜や果実など本物の素材からつくること。だからこそ、それぞれの持ち味がダイレクトに伝わってくる。台南の暑さにじわりと融けたキューブアイスは驚くほどなめらかで、ねっとりとした食感もクセになる。何よりその素朴な姿を裏切らないピュアな甘さ。思わず笑みがこぼれる優しい味わいだ。
太陽牌冰品(タイヤンパイビンピン)
住所:台南市中西區民權路一段41號
TEL:06-225-9375
営業時間:10時〜21時20分
無休
餅米、油、砂糖が奏でる、熱々の三重奏




砂糖をまぶした揚げ餅のような「白糖粿」は、台湾南部で愛されるおやつ。たっぷりの油で揚げたものに、手渡す直前に砂糖をたっぷりとかけてくれる。既成の餅米粉を使うのではなく、餅米を粉に挽くところからつくる自慢の一品。素朴だがやみつきになる味を求め、日々たくさんの人々が訪れる。ナビゲーターの大大も「台南に来たら、ここだけは絶対に外さないでほしい」と絶賛。
林家茂子 蕃薯椪白糖粿(リンジャーマオズ ハァンジーポンベイテェングェイ)
住所:台南市中西區尊王路6號
営業時間:10時30分~18時30分
定休日:インスタグラムで告知
Instagram:@lingumaozi
ふんわり生地の中に潜む、洗練された素材と技巧

上から時計回りに、あんパン(隠し味に日本酒の獺祭入り)40元、ピーナッツパン40元、クリームパン35元



日本のパンのようにふわもち系、だがピーナッツなど台湾風の食材や味の組み合わせが楽しい「台式麵包」(台湾パン)。日本の洋菓子文化に影響を受けて生まれ、庶民の味として親しまれてきた。台南の人気氷菓ブランド「蜷尾家」店主、リー・ユーの、念願叶って開いたのがこのベーカリー。幼い頃の記憶を元にしつつ、厳選素材でアップデートされたパンは、懐かしいのに新しい。
蜷尾家パン(チュエンウェイジャー パン)
住所:台南市中西區新美街5號
営業時間:11時~売り切れまで
無休
Instagram:@ninao_pan

大大 / 之外工作室(ダァダァ / ヂーワイゴンズオシー )
フードコーディネーター。厨房から食材の現場まで10年にわたる経験を積んだのち、「之外工作室」を設立。台湾の飲食業界に向けて、レシピ開発やフードデザイン、店舗立ち上げのサポートなど、幅広い食のコンサルティングを行なっている。根底にあるのは「サステナブルな美しさ」と「料理の喜びを伝えたい」という願い。
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