グルメな台湾人からも一目置かれている美食の都、台南。台湾の食文化を知り尽くすフードコーディネーターの大大(ダァダァ)が、台南の食の魅力を「のど越し」「頬張り」「甘やかし」に分けて、お薦めの店へ案内してくれた。本記事では「のど越し」をテーマに4店を紹介。
飛び立てば、4時間程度であっという間に到着する異国、台湾。まるで国内旅行のような気分で行ける身近な距離でありながら、そこには日本とはまったく違う世界が広がっている。いま体感すべき台湾の魅力は、「古さと新しさの出合い」。さあ、“OLD MEETS NEW”な台湾を探しに、出かけよう。
『台北&台南を楽しむ、台湾最旬案内』
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いまでは貴重な存在の昔ながらのスタンドでひと休み




屋台からスタートし、創業65年以上になる店の名物は、フルーツの砂糖漬けに、甘さ控えめのシロップと氷をかけたスイーツのようなドリンク。「現代のようなドリンクスタンドがなかった時代は、こういう店が街のいたるところにありました」と2代目店主。スターフルーツは、のどの炎症を和らげる効果が期待できるそう。青いうちに収穫した青マンゴーは、クセになる酸っぱさだ。
蜜桃香 楊桃湯(ミータオシャン ヤンタオタン)
住所:台南市中西區青年路71號
TEL:06-228-4228
営業時間:9時~21時30分
不定休
食べ歩きの合間に、爽やかなハーブティーを流し込む

右は独特な苦味が特徴の「苦茶」50元、左は爽やかなミントが香る「青草茶」35元。苦茶は、ゆっくりと口に含むことにより苦味を軽減でき、まろやかな風味が広がる。


グルメストリート「國華街」の入り口にあるハーブティー専門店。約85年前に薬膳食材の販売からスタートし、ハーブティーの販売を始めて60年になる。青草茶は、身体の熱を下げると言われるクマノギクやコミカンソウなど6種類のハーブをブレンド。苦茶は、肌トラブルや新陳代謝を上げる効能が期待できる。ハーブを乾燥させてから煮出しているため、香りは穏やかで飲みやすい。
水仙宮青草茶(シュエイシェンゴンチンツァオチャー)
住所:台南市中西區國華街三段183號
TEL:06-225-8349
営業時間:7時〜20時
無休
素朴な味わいを求めて、夏のおともに緑豆スムージーを



多い日には2000杯を売り上げる緑豆スムージーの専門店。日本では春雨の原料になる緑豆だが、台湾では菓子やスープに使うポピュラーな食材だ。この店のレシピは、上質な緑豆に台南虎山の牛乳、水、砂糖のみを加えたもの。豆のおいしさを感じられるよう、甘さは控えめに仕上げている。オーナーによると、「解熱作用が期待できる緑豆は、暑くて長い台南の夏にぴったり」だとか。
双生綠豆沙牛奶(ショアンシェンリュウドォシャアーニョウナイ)
住所:台南市中西區民族路二段281號
TEL:06-221-0901
営業時間:11時~18時
定休日:月、火(11~6月) 土、日(7~10月)
Instagram:@shuansenbeverages
毎年メニューを一新する、独創的なカクテルバー

左から「デイライツ・セイビング」400元。濃厚な味わいの「バスク・チーズケーキ」140元


店名の由来にもなっている哲学者ヘラクレイトスの言葉、「万物は流転する」にインスピレーションを受け、毎年7月にメニューを一新する。大大お薦めの「デイライツ・セイビング」は、ジンベースにパイナップル、ミント、ジャスミン茶が入った爽やかな一杯。バーテンダーがオーストラリアで暮らした経験から着想を得たという。季節ごとに変わるスイーツとのペアリングも楽しみたい。
Hērá(ヘラ)
住所:台南市中西區民族路二段260號2F
営業時間:13時〜深夜1時(日〜火、木) 13時〜深夜2時(金、土)
eメール:hera.tainan@gmail.com
定休日:水
Instagram:@hera_tainan

大大 / 之外工作室(ダァダァ / ヂーワイゴンズオシー)
フードコーディネーター。厨房から食材の現場まで10年にわたる経験を積んだのち、「之外工作室」を設立。台湾の飲食業界に向けて、レシピ開発やフードデザイン、店舗立ち上げのサポートなど、幅広い食のコンサルティングを行なっている。根底にあるのは「サステナブルな美しさ」と「料理の喜びを伝えたい」という願い。
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