レクサスの主要車種、「ES」の新型モデルがヴェールを脱いだ。目を奪うデザインで、新しい時代を見据える注目の1台をレポートする。

新型「レクサスES」が2025年4月に発表された。舞台は上海モーターショー(上海国際自動車産業展覧会)。「セダンの概念をアップグレードする」という言葉が響く、印象的なデザインだ。
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上海で存在感を放った、新型「レクサスES」
ショーでステージ前に集まったジャーナリストたちは、新型ESが舞台に登場すると、おお、と声をあげた。流れるようなルーフラインを持つファストバックスタイルで、ていねいにつくり込まれた車体は、美しい陰影を見せる。1000を超える出展を数える上海のショー。そこにあってもESは、強い存在感を放っていた。

ESは、1989年にレクサス・ブランドが発表されて以来、「LS」とともに主要モデルの地位を占めてきたクルマだ。お披露目されたのは第8世代になる。ESは、モデルチェンジのたびに新しいコンセプトを提供してきた。
新型ESのパワートレインはHEV(ハイブリッド)と、BEV(バッテリー駆動のEV)。カーボンニュートラル化という最終目標を持ちつつ、地域の実情に合わせたパワートレインによって、温暖効果ガスの排出量を減らしていく「マルチパスウェイ」戦略にのっとったものだ。
室内は広く、大型モニターを持つデジタルコクピットを備えている。先進技術において世界のトップクラスである中国の自動車市場でも強い競争力を持ちえている。
手をかざすと物理スイッチが現れる「レスポンシブヒドゥンスイッチ」や、アンビエントライトの色やパターン、音楽などを変化させドライバーの気分に寄り添う「センサリーコンシェルジュ」は、ESだけで手に入る装備だ。


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整ったプロモーションで、普遍的な美を見せる
それだけではない。先端的技術のみに頼るのではなく、“美”にはある種の普遍性があることを知らせてくれる。多くの人にとって魅力的な、エレガントさとスポーティさを備えているのだ。


美しさには理由がある。BEVでは床下搭載した駆動用バッテリーによって全高が約100mm上がった。しかしそのままだと、デザインのバランスが崩れてしまう。
「全体のプロポーションを見直そうと、開発チームでは一丸になって取り組みました」そう話すのは、デザインを担当した熊井弥彦プロジェクトチーフデザイナー。全長を延長し、全幅を拡大。開発総指揮の千足(ちあし)浩平チーフエンジニア率いる開発チームは、バランスのとれたプロポーションを実現したのだ。
いつまでも運転していたいと思える操縦性と、すべての乗員が笑顔になれる乗り心地と快適性……それもセダンならではのよさ。ESが目指したところだ。
日本での発売は2026年春を予定。待つ価値のあるモデル、ということを、上海のショー会場で確信した。



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