【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『未来学 人類三千年の〈夢〉の歴史』

1970年代に流行し、近年また注目される「未来学」を概観した入門書。気候危機や経済格差に明らかな通り、未来は人間の存在を脅かすものであると著者は警鐘を鳴らす。その現実は人々を落ち込ませ、将来への期待感を矮小化するかもしれないが、否定的な側面は実態の一部でしかなく、自由なやり方で状況を好転させることができるはずだという。言い換えれば、今後に対する私たちの選択こそが重要な意味を持つのだ。本書を通じて未来学の系譜をたどり、不安がさらに増していく未来の中から希望を見出したい。
※この記事はPen 2025年6月号より再編集した記事です。