富士フイルムの最新カメラは遊び心満載!  超小型デジタルカメラ「X half」でユニークな一枚を

  • 写真・文:石川博也
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「X half」シルバー

フィルムカメラのエモさやおもしろさと、デジタルカメラの利便性、さらにはインスタントカメラのワクワク感まで盛り込んだ! 最高に楽しい超コンパクトデジタルカメラ「X half(※製品名:FUJIFILM X-HF1)」が富士フイルムからついに登場だ。

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富士フイルム「Xシリーズ」新製品紹介・撮影体験会に登場した女優の内田理央。手にするのはもちろん「X half」で、このカメラがいかにコンパクトかわかるだろう。

「X half」は、そのネーミングが示唆するように、ハーフサイズカメラをモチーフにしたデジタルカメラだ。ハーフサイズカメラとはフィルムカメラのひとつで、一般的な35mm判フィルムの1コマに2枚の写真が撮影できるというもの。例えば、36枚撮りのフィルムであれば、72枚の写真が撮影できるカメラのことだ。

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縦型の液晶モニターが新鮮。これが今後のスタンダードになっていく可能性も十分あり得る。

ハーフサイズカメラでは横長のコマを左右2枚に分割することになるため、普通にカメラを構えると必然的に縦長の写真が撮れる。「X half」でもその特徴を取り入れ、横3:縦4の比率、つまりは縦長の静止画と動画が撮影できるデジタルカメラとなっている。

光学ファインダーも背面の液晶モニターも縦型だ。スマートフォンで撮影する機会の多い昨今では、むしろ縦構図での撮影のほうが自然だと感じる人も多いだろう。

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「2in1」機能を使うと液晶モニターには2枚の写真が1コマで表示される。

さらに1コマに2枚の写真が撮影できるハーフサイズカメラの特徴を取り入れた「2in1」機能を搭載。2枚の縦構図の写真を組み合わせて、ストーリー性のあるひとつの作品に仕上げることができる。

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フレーム切り替えレバーを引く、そのひと手間が不思議と楽しい。

通常は1枚ずつ写真を撮りながら、ふと2枚の画像を組み合わせたくなったら、フィルム巻き上げレバーを模したフレーム切り替えレバーを引く。これによって連続する2枚が横に並んだ組写真が完成する。例えば、ヘアカットのビフォア・アフターの写真を組み合わせたり、同じ場所の引きと寄りの写真で1つの作品にするなど、アイデアしだいでさまざまな表現ができておもしろい。

しかも静止画と静止画だけでなく、静止画と動画、動画と動画の組み合わせも可能。これまで見たことのない斬新な表現が手軽にできることは間違いない。専用アプリ「X half」を使用すれば、分割線の色やサイズの変更、左右の写真の入れ替え、静止画同士の新たな組み合わせなど、静止画をより自由に編集することができる。

今後「X half」のユーザーからどんなユニークな作品がSNSなどに公開されるのか、今から楽しみにしたい。またユーザーとしては、新たな表現手法を活かして自分のクリエイティビティを存分に発揮するチャンスでもある。

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240gの軽さと32mmのレンズで、まさに「写ルンです」

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32mm F2.8の単焦点レンズを搭載。

肝心の写りも申し分なく、裏面照射型1インチセンサーと、35mm判(いわゆるフルサイズ)換算で32mm F2.8の単焦点レンズを搭載。日常を時に鮮やかに、時にエモーショナルに写し出す。

ちなみに32mmの焦点距離はレンズ付フィルム「写ルンです」と同じ。「X half」は付属バッテリーやメモリーカードを含め、重さはわずか240g。こんなに軽ければ「写ルンです」のように常にバッグに忍ばせることも容易。日常を気軽に写したくなるデジタルカメラなのだ。

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左のサブモニターにはフィルムシミュレーションのほか、さまざまな選択肢が表示される。

「X half」は、富士フイルムのデジタルカメラではおなじみのフィルムシミュレーションも備えている。用意されたモードは13種類。被写体やシーンに合わせて写真フィルムを選ぶような感覚で、多彩な色表現が楽しめる。

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フィルター機能。左から/「ライトリーク」、「ハレーション」、「期限切れフィルム」。写真:富士フイルム

さらにinstax“チェキ”シリーズでおなじみのフィルター機能も実装。既存のフィルターから厳選した8種類に、新たに開発した「ライトリーク」、「ハレーション」、「期限切れフィルム」を加えた11種類が、フィルムカメラのような独特の描写表現を遊び心とともに実現してくれる。

フィルムらしい粒状感を演出する「グレイン・エフェクト」や「日付入り撮影」機能もエモさたっぷり。静止画でも動画でも、思い出をより印象深いものに変えてくれるだろう。

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上から見ると、まるでフィルムカメラのようなデザイン。左側に刻まれた「X half」のロゴマークがスタイリッシュだ。

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撮り切るまで確認できない⁉ フィルムカメラモードで現像の楽しみを再び

さらにユニークなのは「X half」向けに新たに開発された「フィルムカメラモード」だ。このモードでは液晶モニターを使わず、光学ファインダーでのみ撮影可能。撮影枚数を36枚、54枚、72枚から設定すると、フィルム撮影のようにその枚数を撮り切ったあとでのみ撮った画像を確認できる。途中でキャンセルも可能な機能ではあるが、せっかくなら撮り切るまでどんな写真に仕上がっているのかわからない、フィルムカメラのようなワクワク感を楽しみたい。

撮影方法もフィルムカメラそのもので、このモードでは、シャッターを押したあとにカメラ軍艦部のフレーム切り替えレバーを引くことで、次のシャッターを押すことができる。

設定した枚数を撮影したあとは、専用アプリ「X half」に撮影データを転送。デジタル現像を行うことで初めて、アプリ上で撮影画像を確認、編集、共有ができるようになっている。加えて、デジタル現像後には撮影画像が一覧できるコンタクトシートも同時に保存される。現像の際のユニークな演出も見逃せない。

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スマホプリンター“チェキ”「instax Link」シリーズがあれば、「X half」で撮影した写真をその場でプリントできる。

ほかにも専用アプリ「X half」では、撮影した静止画や動画をギャラリーやアルバムを鑑賞するように楽しめたり、アプリから各種SNSへのダイレクトアップロードも可能。スマホプリンター“チェキ”「instax Link」シリーズでのプリントもできるなど、デジタルとアナログの境界線を行き来しながら、カメラや写真を堪能できる。

ひとりでの撮影も十分楽しい。でも、仲間と一緒ならもっともっと楽しい。「X half」は多機能なデジタルカメラであることはもちろん、みんなでわちゃわちゃしながら写真が撮れる優れたコミュニケーションツールとして、何気ない毎日を無尽蔵におもしろくしてくれるデジタルカメラなのである。

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左から/「X half」チャコールシルバー、「X half」シルバー、「X half」ブラック。日本国内での発売は2025年6月下旬の予定。オープン価格。写真:富士フイルム

富士フイルムデジタルカメラサポートセンター

電話0570-04-1060

www.fujifilm-x.com/ja-jp/