
ここ数年、日本でもロゼワインを楽しむ人が少しずつ増えてきた。フランスではすでに白ワインの消費量を上回っており、アメリカをはじめ世界的に流行が続いているが、日本でもようやくその魅力が知られてきた印象だ。
なんといっても、ロゼは日本の家庭料理や中華、エスニックとピッタリで、とにかく万能選手。さらにその美しい色合いから華やかな雰囲気があるのに、肩肘張らずに楽しめるカジュアルさもある。これからの暑い季節、少し冷やしたロゼはホームパーティーやバーベキューなどでも幅広く活躍するだろう。
ワインショップでもさまざまなロゼを目にするようになったが、なかでもいま注目したいのが、フランス・プロヴァンス地方のワイナリー「シャトー デスクラン」からリリースされている3本だ。
カジュアルに楽しめる「ウィスパリング エンジェル 2024」は、フレッシュさとまろやさのバランスが秀逸な一本。2024年ヴィンテージは、シャトーの現当主、サシャ・リシーヌ自らが「間違いなく、これまでの中で最高。ロゼワインづくりのディテールの集大成で、すべてが完璧にひとつにまとまった」と評する。フレッシュさ、飲みやすさ、どれをとっても“プロヴァンスロゼ”を体現する一本だ。

スーパープレミアムライン「ロック エンジェル 2022」は、別名“スーパー・ウィスパリング エンジェル”と呼ばれており、ウィスパリング エンジェルのフレッシュさとエレガンスさをさらに格上げしたかのような味わい。ミネラルによる骨格がさらに際立つ。

そして、シャトーの最上級ワイン「ガリュス 2022」は、「グラン・ヴァン(偉大なワイン)」、つまりエイジング能力のあるロゼを目指してシャトーがつくり上げた渾身の一本だ。ロゼとは思えないリッチな香りと、クリーミーなフィニッシュが特徴で、トップクラスの白ワインやプレステージシャンパーニュにもまったく引けを取らない。ブドウは、樹齢100年近いグルナッシュの単一畑のブドウとロール(ヴェルメンティーノ)を手摘みで収穫。大型のフレンチオークの新樽で11カ月間発酵・熟成している。豚肉を使った料理やクリームソースと合わせた魚料理などもピッタリだろう。
これら、特徴の異なる3本のロゼをフルコースで楽しむのもよし、オケージョンに合わせた1本をそれぞれを楽しむのもよし。この夏は、プロヴァンスからやってきたシャトー デスクランのロゼとともにワンランク上のひとときを過ごしたい。
