ホックニーの約500作品を収録、創造性に満ちた本質を浮き彫りに【今月の読むべき1冊】『デイヴィッド・ホックニー作品集』

  • 文:印南敦史(作家/書評家)
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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『デイヴィッド・ホックニー作品集』

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デイヴィッド・ホックニー 著 青幻舎 ¥4,730

デイヴィッド・ホックニーの作品の変遷を紹介し、最新作を含む約500点と彼の言葉を収録した作品集。ホックニーの作品はなぜ、60年以上の活動期間を経てもなお斬新なのか。この問いに対する答えは紛れもなく「創造性」だ。油彩、素描、水彩、版画、写真とさまざまな技法を自分のものにできるのは、本質的な純粋さにあると感じる。PhotoshopやiPhoneを表現のツールとして活用している点もまさにそれだ。彼にとって表現と実験、楽しさは同等のものなのだ。本書は、その点を改めて実感させてくれる。

※この記事はPen 2025年6月号より再編集した記事です。