【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『デイヴィッド・ホックニー作品集』

デイヴィッド・ホックニーの作品の変遷を紹介し、最新作を含む約500点と彼の言葉を収録した作品集。ホックニーの作品はなぜ、60年以上の活動期間を経てもなお斬新なのか。この問いに対する答えは紛れもなく「創造性」だ。油彩、素描、水彩、版画、写真とさまざまな技法を自分のものにできるのは、本質的な純粋さにあると感じる。PhotoshopやiPhoneを表現のツールとして活用している点もまさにそれだ。彼にとって表現と実験、楽しさは同等のものなのだ。本書は、その点を改めて実感させてくれる。
※この記事はPen 2025年6月号より再編集した記事です。