変わらない本質的価値として、「日本人の頭と腕で国産初の乗用車をつくり、人々の暮らしを豊かにする」をルーツに革新と挑戦を続けてきたクラウン。“世界に誇る日本のクラウン”として16代目モデルが登場し、2025年4月には70周年記念モデルが誕生した。アップダウンやワインディングを疾走するクラウン 特別仕様車CROSSOVER RS “THE 70 th”を、国内外で活躍するフォトグラファー原田教正がファインダーに捉えた。

フォトグラファー 原田教正 Kazumasa Harada⚫︎1992年生まれ。武蔵野美術大学芸術学科/映像学科卒。在学中よりフリーランスとして雑誌や広告などの撮影を行う。写真集に『Water Memory』『An Anticipation』などがある。ベルリンで滞在制作を行うなど、海外での活動も精力的に行う。風景・人・モノなどすべての被写体を等価で捉える彼の作品は、見る者の感性を刺激する。www.kazumasaharada.com/
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自然の中を走るクラウン(クロスオーバー)。70周年モデル限定のバイトーンのボディカラーが、日本の穏やかな風景に溶け込む。
特別仕様車CROSSOVER RS “THE 70th” (ベース車両はCROSSOVER RS)。ボディカラーの特別設定色プレシャスメタル〈1L5〉×プレシャスホワイトパール〈090〉[M75]はメーカーオプション。
個性を強く主張しない上質なスタイリング
クラウンは70年の歴史の中で、常に「革新と挑戦」を繰り返してきた。クラウン(クロスオーバー)をファインダーに捉えた原田さんは、その「革新と挑戦」をまずスタイリングに見てとる。
「祖父も父も車が大好きだったため、小さな頃からヨーロッパの高級車を見てきました。もちろん国産車もたくさん見てきています。私自身クルマへの思い入れが強い方だと思いますが、クラウンと言うと“四角くて平らなセダン”というイメージを持っていました。ところが、このクラウン(クロスオーバー)のスタイリングは、今までのイメージとは全く異なっていますね。全世界的にSUVが大人気の昨今、あくまでもセダンのポジションを守っていたクラウンが、このように世界のトレンドを巧みに取り入れ、現代風にアップデートしているところに興味深さを感じます。フロントはシンプルかつシャープなのに、リアは丸みがあって優しい印象。この対比が絶妙なバランスに感じます」


ファーストインプレッションでボディ全体をチェックした原田さんは、さらにディテールへと迫っていく。
「フロントからサイド、そしてリアへと走るキャラクターラインが美しい。このラインはリアドアのエンドで一旦消えて、またリアフェンダー後半から現れてくる。そして、リアパネルの縁に沿って下降し、リアゲートのラインに繋がっています」

歴史と伝統に囚われることなく、革新と挑戦を続けるクラウン。デザイナーには才能豊かな若い世代もいる。彼らの卓越したセンスとスキルが、クラウン(クロスオーバー)のデザインに表れているのだろう。
さらに、海外での生活経験が豊富な原田さんは、自身が見たヨーロッパの風景と日本の風景の違いから、クラウン(クロスオーバー)のスタイリングの成り立ちを語った。
「ヨーロッパで暮らしていると、ヨーロッパ車特有の大きなグリルやエンブレム、強いラインなどが、石畳の路面や荘厳なファサードといったヨーロッパの街並みにマッチしているように見えます。その一方、日本の道路はきちんとアスファルトで整備してあるし、家並みも優しい。そんな日本の風景に、新しいクラウンのシンプルなフロントマスクやソフトなラインが溶け込んでいる印象を受けました」


クラウンが遠くからでも近くからでもクラウンらしく見えるのは、常に世の中とともに進化しながら、同時に世の中に対する自身の位置(アイデンティティ)を相対的に変えないからだ。クラウン(クロスオーバー)は現代の日本にマッチするよう、革新と挑戦を遂げている。
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“ちょうど良い”パーソナル感が快適さを生み出すインテリア
原田さんがファインダーに収めたのは、16代目クラウンの70周年記念モデル CROSSOVER RS “THE 70th”。日本の風景と響き合うバイトーン(プレシャスメタル×プレシャスホワイトパール)のボディカラーとエクステリアを引き締める記念ロゴ、さらにインテリアを華やかに彩る装備が特徴の一台だ。

「新しいクラウンは、高級車だからと言って気取らない、70周年だからと言って誇らない…そんな控えめなスタンスが魅力だと思います。それはフェンダーにさり気なく記された記念ロゴや、コンパクトかつスマートにリニューアルされたエンブレムなどに表れているのだと思います。それは車内に入り、助手席コンソールのごく控えめな記念ロゴにも感じられました。また、70thロゴ入りの煌びやかなシフトノブも、多くの人に受け入れられるでしょう」

ひと昔前はブランドやプライスが最優先された時代があったが、人の嗜好や暮らし方が多様化された昨今は、“本当に良いもの”や“自分に合ったもの”が求められる。
「エクステリアもそうでしたが、インテリアも控えめという言葉がぴったり。ステアリング、シート、ドアトリムなど、人が触れるパーツの素材が見た目もタッチも上質です。また、画面のタッチだけでなく、人が指先で操作するスイッチがきちんと並んでいるところも好印象。というのも、クルマは人が運転するからクルマなのであって、スイッチ類も含めてステアリングやペダルといった操作系の機構を媒介にして、人がちゃんと意識して操作できることが大切なのではないかと思います」

前席のインプレッションに続き、後席に移動して居住性をチェックする原田さん。
クラウン(クロスオーバー)はボディ全体をリフトアップしたSUVスタイルだが、クルマに乗る時の「敷居」にあたるサイドシルをスムーズに乗り越えられる高さに設定。大きなドア開口部形状と相まって、リアシートの乗降性は良好だ。
「前席と同様、座り心地は快適。そして、自分をとりまく空間が気持ち良く感じるのは、後席の広さが、人が心地よいと感じるパーソナルスペースだからでしょう。包み込まれているのに、ちょうど良い開放感を感じることができます。また、ドアのショルダーラインが後席から前席までほぼ水平に繋がっているおかげで、風景を存分に楽しめることも快適さを生んでいるのでしょう」

「全席特等席」を謳うクラウン(クロスオーバー)は運転席も助手席も、そして後席も機能性・操作性・快適性を高めている。3席独立温度コントロールフルオートエアコンやシートベンチレーション、シートヒーター、トヨタプレミアムサウンドシステムといったさまざまな快適装備はもちろんだが、そもそもの広さやレイアウトなどの空間設計が優れているからこそ、原田さんが実感した“ちょうど良い”快適さをもたらしているのだ。
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ジェントルに快感をもたらすパフォーマンス
原田さんが試乗したクラウン(クロスオーバー)は70周年記念モデルの「CROSSOVER Z」。最高出力137kW(186PS)、最大トルク221N・m(22.5kgf・m)を発揮する2.5リットルエンジンを搭載するハイブリッド車だ。さらに、200kW(272PS)、460N・m(46.9kgf・m)を発揮する2.4リットルターボハイブリッドのCROSSOVER RSもラインナップされている。

余裕のパワーとしなやかかつスポーティな足回りが相まって、クラウン(クロスオーバー)の走りはすこぶる快感。ワインディングはもちろん、街中をゆったりと走るのも楽しい。
「先ほどデザインで『クラウンは控えめ』と表現しましたが、走りはパワフルですね。助手席や後席に座っていると、エンジンの力みを感じることなく、滑らかに加速していく。また、高級車はソフトな乗り心地になりがちですが、クラウン(クロスオーバー)は決してフワフワしていないから、上下左右前後に揺れず、ワインディングでも非常に気持ち良い。だからといって、そのパフォーマンスをひけらかすような、走りではないんです。
クラウンの紳士的な走りを体験したら、父が若い頃のことを思い出しました。父は英国スタイルのスーツを仕立てて、英国の高級セダンに乗っていました。決して派手な装いではなく、また強い個性を主張していたのでもないのですが、僕は幼心に父の人となりをそこから感じていました」

ひと昔前は大きさや豪華さが高級感の証であった。そして、大きなパワーと速いスピードこそが高性能でもあった。しかしライフスタイルが多様化し、自分に合った本当の価値が求められる今、クラウンの“本当の価値がわかる人を満足させる”スタイリングとパフォーマンスこそ時代にマッチする。それを原田さんは、自身の感性で写真に収めてくれた。
トヨタ クラウン特別仕様車
CROSSOVER RS “THE 70th”
https://toyota.jp/info/crowncrossover/special_70th/47 ROADS BY CROWN
クラウンの豊かな移動時間と日本の魅力を体感いただける、生誕70周年記念プロジェクト「47 ROADS BY CROWN」 特設サイト。世界で活躍するナビゲーターが道を駆け抜けて感じた日本の魅力や豊かな移動時間を疑似体験できる記事コンテンツが順次公開予定。