ラーウィー初のラウンジチェアから、戦後西ドイツのグラフィックデザイン展まで【Penが選んだ今月のデザイン】

  • 文:高橋美礼(デザインジャーナリスト)
Share:

1.エルワン・ブルレックが魅せる、ラーウィー初のラウンジチェア

3.jpg
ベースは複数のカラー、座面と背もたれは数種から選べる。¥198,000~

2017年に創業したデンマークデザインブランド「raaw(ii ラーウィー)」のためにエルワン・ブルレックがデザインした「ARBAラウンジチェア」。カンチレバー構造に曲げられた金属板が、座面と背もたれの2つの成形合板を絶妙な角度で支えるシルエットは、一見すると簡素で明快だ。しかし座り心地はゆったりとしたラウンジチェアそのもの。ワーキングスペースとリラックスできる場をゆるやかにつなぐ、新しい椅子としての存在感が際立っている。

「ARBAラウンジチェア」

MAARKETトーキョー
TEL:03-6432-9446

---fadeinPager---

2.「A5コレクション デュッセルドルフ」から、ポスターを中心に日本初公開となる作品群

4.jpg
ハンス・ヒルマン『キールウィーク 1964』1964年 ポスター A5コレクション デュッセルドルフ蔵 © Marlies Rosa-Hillmann(画像提供:東京都庭園美術館)

デザイナーのイェンス・ミュラーとカタリーナ・ズセックによって収集された「A5コレクション デュッセルドルフ」は、戦後西ドイツのグラフィックデザインを総覧できるアーカイブとして充実している。西宮市大谷記念美術館から巡回する本展では、同コレクションから約125点のポスターと多数の資料類を実際に鑑賞できる貴重な機会となる。ハンス・ヒルマン、オトル・アイヒャーらによる名グラフィック作品を直に堪能したい。

『戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見』

開催期間:3/8~5/18
会場:東京都庭園美術館
TEL:050-5541-8600
開館時間:10時~18時(3/21、22、28、29は20時まで)
休館日:月曜日(5/5は開館)、5/7
料金:一般¥1,400
www.teien-art-museum.ne.jp

※この記事はPen 2025年4月号より再編集した記事です。