
アクタス・丸の内店にて、ドイツの家具ブランドTECTA(テクタ)の名作コレクションにフォーカスする企画が開催中だ。TECTAが現在も製作するバウハウスから誕生した名作コレクション11点とオリジナル家具を通じて、モダニズムのデザインを体感できる。3月19日から国立新美術館で始まる『リビング・モダニティ 住まいの実験1920s-1970s』展でのTECTA特設ブースと連動するアーカイブとしても見逃せない。
TECTA社は1972年、旧西ドイツで設立された。創業者アクセル・ブロッホイザーがバウハウスのデザインに魅了されたこと、そしてフランスのデザイナー、ジャン・プルーヴェへの敬愛によって、貴重な資料が収集されてきた。プルーヴェが実現できずにいたイージーチェア「D80」をブロッホイザーが具現化したことで深まった彼らの親交は、その後のカンチレバーチェア開発やテーブル「M21」の天板デザインへと結実した。
今回は丸の内店の売り場の3分の1を使い、こうしたブランドの背景とともに、いまも製造を続ける名作の魅力を読み解く展示にも工夫が凝らされている。
なかでも、インテリアスタイリスト作原文子が手掛けるコーナーは「現代にバウハウス芸術学校が蘇ったら」というテーマが楽しい。バウハウス校長室を想定したスタイリングは、TECTAのプロダクトに限らず、モダンなインテリアの手引きにもぴったりだ。ほかにも、シグネチャーとして人気が高いサイドテーブル「K22」のカラーバリエーションや、マルセル・ブロイヤーに由来するステンレス製カンチレバーチェアの数々など、実際に触れたり座ったりできるのは、アクタスの店舗だからこそ。創業者ブロッホイザーの愛猫をモチーフにしたオリジナルグッズも限定販売されている。

『TECTA MIT MARUNOUCHI -バウハウスとテクタの名作家具展-』
開催期間:~4/20会場:アクタス・丸の内店(新丸ビル3F)
TEL:0120-426-831
営業時間:11時~21時(日、祝は20時まで)
定休日:無休
www.actus-interior.com
※この記事はPen 2025年4月号より再編集した記事です。