長崎・福江島の風景を彷彿とさせる、椿から生まれたジンの新星【プロの自腹酒 vol.25】

  • 文:山内聖子
  • 写真:榊 水麗
  • イラスト:阿部伸二
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五島つばき蒸溜所/ゴトジン

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ジンのアロマを椿の花で包み込むようなイメージでつくられた、“ツボミボトル”が美しい。原料は基本のジュニパーベリーのほか、長崎・福江島の椿の実や椿茶、椿油の搾り粕、ナツメグ、リコリス、アンジェリカなど17種類の独自のボタニカルを使用。口当たりがやわらかく、口に含むと清々しく華やかな香りが心地よく鼻腔をくすぐる。ソーダ割りもお薦め。500mL ¥5,500/五島つばき蒸溜所 eメール:shared@gotogin.jp

日本茶よりも、合うのは日本酒。そんな新感覚の和菓子を他に先駆けて開発した「和菓子 薫風」の店主・つくださちこさん。毎日のように日本酒と和菓子のベストな相性を模索し続けている。日本酒への思い入れは相当あるが、意外にも自腹酒に挙げてくれたのがジンだった。2022年に長崎の五島列島で蒸溜所が誕生したばかりの「GOTO GIN(ゴトジン)」である。

「このジンは、もとキリンビールの同僚3人がつくっているお酒です。大手企業を辞めて五島列島の福江島に移住し、ゼロから蒸溜所を立ち上げた彼らの熱意が素晴らしい。実はそのなかのひとりであるブレンダーの鬼頭英明さんと飲み友達で(笑)。余計に応援したいと思い、ゴトジンを定期購入するようになりました」 

とはいえ、ただ応援したいという気持ちだけで推薦しているのではない。味のクオリティも酒質に厳しい彼女のお墨付きだ。特に香りの豊かさは目を見張るのがあるという。

「17種類のボタニカルを個別に蒸溜してから配合しているのですが、素材由来の含み香がとにかく豊かですごい。蒸溜所を訪ねたことがあり、きれいな海が見える自然豊かな場所にあるのですが、その土地柄を表現しているようなナチュラルで優しい味も魅力。ぜひストレートで飲んでほしいです」

彼女はこの酒を「ボヤッとしながら飲みたい」と言いつつ、酒を飲む気持ちをより盛り上げ、感動の涙を流したい気分の時は漫画『宇宙兄弟』がベストなおともになるそう。

「命をかけて宇宙に挑戦する人たちの物語なのですが、泣けるシーンが多く、この酒を飲みながら読めばさらに涙腺が崩壊する」

ゼロから酒を立ち上げた挑戦者と呼ぶべきつくり手の酒と、人類の未踏に挑む『宇宙兄弟』は、互いがシンクロする最高の相性なのだ。

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酒をとことんうまくする、宇宙が舞台の熱い物語

『宇宙兄弟』は、作者の小山宙哉のファンクラブに入るほど、つくださんが長く愛読する漫画。仕事の参考にもなるという。戸谷友則の『宇宙になぜ、生命があるのか』も愛読。

つくださちこ

大手製薬会社勤務後、飲食業界へ。和菓子と日本酒のマリアージュの先駆者で、2012年に「和菓子 薫風」をオープン。旬の素材を使った和菓子は、辛党の酒好きにも人気だ。

和菓子 薫風(くんぷう)

住所:東京都文京区千駄木2-24-5
TEL:03-3824-3131