亜熱帯の豊かな森と碧い海が広がる沖縄県北部の名護市、世界自然遺産「やんばる」の入り口に佇むオリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ。2021年から実に3年に及ぶ大規模改修を経て、クラブラウンジの新設、ガーデンプールや客室のリニューアルが行われ、2024年4月に装いも新たにオープンしたばかり。そこにはまだ知らない沖縄の魅力を存分に味わえる、大人のリゾートが広がっていた。

沖縄というとエメラルドグリーンに輝く美しいビーチリゾートのイメージが強いが、いま最も注目を集めるのは、奇跡の森「やんばる」だ。「山原」と書き示す通り“山々が連なる原野”という意味合いの、沖縄北部の自然のことで、そこには世界的にも数少ない亜熱帯照葉樹林の森が広がっている。
天然記念物のヤンバルクイナや希少な固有種、絶滅危惧種が生息する生態系と生物多様性が認められ、世界自然遺産に認定されたのが2021年のこと。さらに2025年にはやんばるの自然を冒険できる新たなテーマパーク「ジャングリア」の開業が控えていることからも、その注目度合いが窺い知れるだろう。
無数の沢がいくつもの滝を経て、海へと流れつく。そんな雄大なやんばるを体感する旅の拠点へと生まれ変わったのが、オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパだ。那覇空港から車で70分ほど、海に面した名護市喜瀬の丘の上に聳えるホテルは、周辺のリゾートエリアの中でも高台に位置している。その地に降り立っただけで、海と森に抱かれた豊かな自然を感じ取れる見晴らしがまず素晴らしい。


明るく開放的なエントランスを抜け、チェックインは新設されたクラブラウンジへ。クラブルームとスイートルーム宿泊者はアクセス可能なラウンジでは、ガラス屋根の大きな天井から燦々と降り注ぐ陽射しが、ターフを介して柔らかにこぼれおち、ガジュマルの木々や月桃などやんばるの植物たちがのびのびと育つ癒やしの空間が広がっている。ウェルカムドリンクで喉を潤しながらゆったりとチェックインすれば、忙しない日常から解き放たれ、沖縄の穏やかな時の流れに身を任せられる。
朝食の時間には沖縄食材にこだわった料理やできたての卵料理など多彩なメニューをセミブッフェスタイルで楽しめ、ティータイムにはサーターアンダギーや、名護市にある中山コーヒー園が手掛けたオリジナルブレンドのコーヒーなど、ここでも沖縄らしい食との出合いがある。アペリティフにはオリオンビールやワインだけでなく泡盛などもあり、時間帯を問わず寛ぎのひとときを過ごせるだろう。
客室へ向かう前に立ち寄ったのは、クラブラウンジの向かいにあるアメニティベース「アリンクリン」だ。沖縄の言葉で「あれもこれも」という意味の通り、ヘアオイルやティーバッグ、キッズアメニティまで幅広くラインアップ。さらに旅の疲れを癒やすデトックスウォーターや沖縄県内各地の黒糖、ホテルオリジナルの香り「やんばるグリーン」を使用したバスソルトまで揃うので、部屋でのステイに彩りを添えてくれるアイテムがきっと見つかるはずだ。

---fadeinPager---
全室オーシャンビューの客室は、インナーテラスから望む大自然も美しい
リニューアルした全361室のゲストルームは、そのすべてがプライベートバルコニーから東シナ海を見下ろすオーシャンビュー。さらにデイベッドとテーブルを備えたインナーテラスが設けられているので、遥か遠くまで広がる紺碧の海とやんばるの深い森が織りなす奇跡の絶景に没入できる。いずれも白やベージュを基調としたモダンな内装で、大きな窓に映る自然の美しい風景が、落ち着いた客室に華を添えているかのよう。
さまざまな客室タイプのなかで特にお薦めしたいのが、角部屋で二面採光の窓が特徴的なクラブコーナーと、パノラマに広がる絶景をひとりじめできるクラブオーシャンだ。クラブコーナーは64.9㎡、クラブオーシャンは68.4㎡とどちらも広々とした空間を贅沢につかったゆとりある客室。ダイニングテーブルでアルコールを嗜みながら、デイベッドで寝そべりながら、そしてオープンエアーのテラスで潮風を感じながら…時とともに移りゆく沖縄の美景を、思い思いの過ごし方で愉しみたい。
最もスタンダードな部屋は、スーペリアルームと呼ばれる客室。足元から天井まで開口部いっぱいに設けられた窓と悠々としたインナーテラス、そしてオープンクローゼットやシンプルながらこだわりのつまった家具を空間効率よく配置したおかげで、開放感も十分。さらにシモンズ製ベッドや心地よい間接照明によって、日頃の疲れを癒やす睡眠環境にもこだわった、満足度の高い仕上がりだ。






---fadeinPager---
生まれ変わったガーデンプールや、豊かな自然を目の当たりにするアクティビティも充実
やんばるの森と美しい海を眺められるのは、なにもゲストルームだけではない。県内最大級の広さを誇る全長170mのガーデンプールは、緑豊かな丘の上から海を見渡せるビュースポットとしても愉しめる。広大なエリアには6つのプールと47.5mのウォータースライダー、キッズプールやガゼボが揃い、ファミリーからカップルまでさまざまなゲストの要望に応えてくれる。ヤシの木々に囲まれたリゾート感漂うプールサイドを散歩するだけでも、きっと心地よいリフレッシュになるだろう。
2022年の改装により、プールサイドと山側のふたつのエリアに、大きなデッキスペースが新設。ターフやパラソルで陽射しを避けながら、BBQやプールサイドパーティーなどのイベントにも対応、にぎやかに過ごせるつくりになっている。対照的に大人がゆったりと寛ぐなら、プールに面した真っ白なカバナがお薦めだ。日除け屋根やカーテンがついたプライベートな空間で、ドリンクを楽しみながら読書や日光浴に耽るひとときは、なによりも贅沢なバカンスだ。
7月から10月までの夏季シーズンはナイトプール営業中に各種イベントも開催される。ライトアップされた水面の煌めきとヤシの木に添えられたカラーライトで、陽射しが照りつける日中のプールとはまた違う、幻想的な南国の夜を演出。ナイトプールは夜10時まで延長されるので、夜風を浴びながらプールサイドでBBQやアルコールを嗜むといった、リゾートらしい夜を味わえる。


ホテルに籠ってのんびり過ごすのも悪くないが、せっかくならビーチややんばるの自然を活かしたアクティビティにも目を向けたい。「島とあそぶ 森とつながる」をコンセプトにしているだけに、ホテルが提案する沖縄での過ごし方も多岐にわたっているからだ。
たとえば朝日を浴びながらプールサイドで行う「ハンモックヨガ」や、沖縄北部の森の中にあるでこぼこ道を進んでいく「どろんこバギーアドベンチャー」、ホテルから無料送迎サービスで約3分の距離にあるかりゆしビーチで楽しむマリンアクティビティ、近郊での本格的なダイビング、クラブラウンジでも提供されるコーヒー豆を栽培する中山コーヒー園での収穫・焙煎体験など、どれもが自然とともに生きる沖縄のいまを実感できるものばかり。
リゾートとして発展を続ける沖縄がたくさんの人を惹きつけてやまないのは、透き通った海と肥沃な大地が育んできた豊かな森があるからこそ。そんな自然の恩恵を受けながらも、沖縄のよさと自然を守り、ともに生きていく。やんばるの入り口を守るオリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパからは、そんな想いも感じられた。装いも新たに生まれ変わったホテルで過ごすエスケープは、沖縄の自然に思いを馳せる、まさに大人のバカンスと言えるだろう。



オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ
住所:沖縄県名護市喜瀬1490-1
TEL:0980-51-1000
www.okinawa.oriental-hotels.com