エンダースキーマのギャラリー「隙間」で、陶芸家・福村龍太の個展が開催中。テーマは「自然物と人工物の対比」

  • 文:Pen編集部
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2024年5月25日より、エンダースキーマが運営する「物々交換」をコンセプトとしたオルタナティブスペース「隙間」で、福村龍太の作品展「人工物の自然美」を開催中だ。

福村龍太は、福岡県うきは市を拠点に活動する陶芸家。1989年生まれの彼は、「日月窯」の二代目として、作陶を通じて、伝統からのインスピレーションと素材の新たな可能性を探求する作品を発信し続けてきた。

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福村龍太作品展「人工物の自然美」。銀釉をはじめとした自然素材と人の協働によって生み出される、作品群を展示。

登り窯で焼かれる陶器は、鉱物や天然灰、銀釉を組み合わせてつくられる。また、陶芸において見過ごされたり、失敗とみなされたりする仕上がりに価値を見出すなど、独自の技法と唯一無二の造形、手触りを実現している。

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本展が行われる「隙間」は、「スペースとエキシビターが持つそれぞれの価値を、貨幣を介すことなく交換する」というユニークなコンセプトで運営。

今回の作品展の契機となったのは、2023年に「隙間」で開催した、古道具屋「白日」の店主である西坂晃一の「substream」。福村自身がこの個展に参加した経験を踏まえて、構想したとか。

展示に際して、福村は「人の手が加えられたものの中の自然の情景。表現者である上で、自然が魅せる美しさには到底叶わないと、悔しさを覚える事が何度もありました」とコメント。その中で、着目するようになったのが、移ろいゆく自然の美しさと不変である人工物との対比だった。

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「たとえば、青銅器が緑青を帯びるさまが物語っているように、一見すると対極にあるもの同士ですが、その人工物の中にも自然の美しさがあります。人工的につくられたものが長い年月をかけ朽ちていくさまやその変化の過程の塩梅が、人の作為と自然との融合であり、人間が表現できる最大限の自然美であると考えます」と続ける。

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本展では、鉱物、天然灰、銀彩など様々な素材を生かし、釉薬の魅せる美しさの可能性を垣間見られる。

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「substream」でも発表したタイル片による壁掛け作品の新作の他、さまざまなサイズやかたち、釉薬による大壺を中心に構成される本展。無機質なギャラリーの空間内に、自然素材と人の協働によって生み出された陶芸作品たちが置かれることで、人工物と自然物が織り重なる場をつくり出している。

福村の新たな表現が詰まった本展、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがだろうか。

福村龍太作品展「人工物の自然美」

開催期間:2024年5月25日~6月2日
営業時間:12時~19時
会場:隙間(東京都台東区蔵前3-11-2 1F)
http://sukima.henderscheme.com/