ブラン クーシの展覧会から栗林隆の新プロジェクトまで【今月の展覧会2選】

  • 文:住吉智恵(アートプロデューサー)

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純粋で洗練されたフォルムを、生涯探求し続けた彫刻家

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『接吻』1907-10年、石膏、H28.0cm、石橋財団アーティゾン美術館

純粋なフォルムの探究を通して、ロダン以後の20世紀彫刻の領野を切り拓いたルーマニア出身の彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(1876~1957年)。アフリカ彫刻など非西欧圏の芸術に通じる野性的な造形を特徴としながら、素材への鋭い感性に裏打ちされた洗練のフォルムを追求し、「鳥」に代表される主題の抽象化へと向かった。本展は彫刻作品を核にフレスコなどの絵画やドローイング、写真など創作活動の全体像を国内の美術館で紹介する初の機会となる。

『ブランクーシ 本質を象る』

開催期間:~7/7
会場:アーティゾン美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時(5/3を除く金曜は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(4/29、5/6は開館)、4/30、5/7
料金:一般¥2,000
www.artizon.museum/exhibition_sp/brancusi

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温泉の町・別府で始まった、栗林隆の新プロジェクト

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『植物元気炉』 photo: Chie Sumiyoshi

半年にひと組の作家を大分県別府市に招聘し、4年間で8つの作品を制作するアートプロジェクト「オルタナティブ・ステート」。「境界」をテーマに世界中で作品を発表する栗林隆が、鉄輪の大谷公園に原子炉のかたちを模したガラス張りのドーム『植物元気炉』を設置した。多肉植物からパイナップルまで、地元の人々を中心に全国から集めた植物が密林のごとく植栽され、刻々と成長する植物園型インスタレーションだ。温泉町ならではの「人々を元気にする」作品を体験すべし。

『[ALTERNATIVE-STATE #3] 植物元気炉』

開催期間:常設展示(終了未定)
会場:大谷公園(別府市)
TEL:0977-22-3560(NPO法人 BEPPU PROJECT)
https://alternative-state.com

※この記事はPen 2024年6月号より再編集した記事です。