ディジュリドゥ奏者・GOMAが個展を開催、失った意識の先にある「ひかりの世界」を表現

  • 文:柳澤奈々

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GOMA(ごま)●ディジュリドゥの奏者として、1998年にオーストラリアで開催されたバルンガディジュリドゥ・コンペティションで準優勝を果たす。2009年交通事故に遭い、高次脳機能障害の症状により活動を休止。事故後、画家としての才能に目覚め、多数の個展開催や音楽監督としても活躍している。

ディジュリドゥ奏者で画家のGOMAによる個展「GOMA ひかりの世界」が6月29日(土)まで東京都・表参道のGYRE GALLERYにて開催中だ。

オーストラリア先住民アボリジナルの伝統楽器・ディジュリドゥの奏者として世界的な評価を得ていたGOMA。2009年に交通事故に遭い、その2日後、細かい点描による独特な絵画を描くようになった。それまで絵を描いたことなどほとんどなかった彼だが、突如として才能に目覚め、後に「後天性サヴァン症候群」と診断された。脳に傷を負ったときに美術や音楽、数学などの分野で特別な才能を発揮するようになるという極めてまれな現象だ。

事故から十数年がたった現在、日常生活にほとんど支障はなくなり、ディジュリドゥの演奏も再開。年に1回のペースで個展を開催し、2021年には東京パラリンピックの開会式でひかりのトラック入場曲を担当。奏者として、画家として広く活動を続けている。

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左:『ひかり』。真っ白な白い光が徐々に色付いていくのを感じる。 右:『ひかりの残像』。非常に細かな点が重なり、淡く幻想的な世界に包まれる。

一日の大半を絵画の制作に費やすというGOMAの描く綿密な点描画は、彼の頭の中に浮かんでくる景色を描きとめたもの。意識を失うと真っ白い発光体に包まれたような世界が現れ、意識が戻るにつれて次第に色付いたたものになっていく。こうした「意識を消失したあとに見る希望に満ち溢れた世界」を、彼は「ひかりの世界」と名付けた。

会場では、彼の音楽や絵をもとにした映像が流れ、会期中にはGOMAの指導によるヨガとディジュリドゥ演奏のイベントも開催。独特な色彩とタッチで描かれた不思議な世界観を、会場で、そして全身で体感してほしい。

GOMA ひかりの世界

開催期間:2024年5月4日(土)~6月29日(土)
開催場所:GYRE GALLERY
東京都渋谷区神宮前5-10-1-GYRE 3F