ピアジェが創業150周年の節目に、薄型技術の限界を超えた衝撃作を発表!【ウォッチズ&ワンダーズ2024速報】

  • 文:並木浩一

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創業150周年を迎えたピアジェから新作「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」が登場。ケースの厚みわずか2mmという薄さに、なんとトゥールビヨンを搭載した、前代未聞の超薄型複雑時計だ。同社が誇る超薄型キャリバーの伝統を象徴する最高傑作となるだろう。 

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ブルーPVD加工されたコバルト合金製ケースは直径41.5mmで、2気圧防水を備える。正面から見ると精緻で端正なトゥールビヨンは、実はコイン一枚ほどの厚みしかない。

1874年に創業したピアジェは、圧倒的な存在感を持つスイス高級時計の名門だ。特に、1950年代後半以降の自社製薄型ムーブメントに関しては絶対的な評価を保ち、極薄のドレスウォッチが世界中のセレブリティを魅了した。また、薄さを活かしたスマートなジュエリー使いやゴールドと多彩なカラーを駆使する洒脱なデザイン、オーナメンタルストーンの文字盤などのユニークなマテリアルの採用で、腕時計づくりの可能性を広げてきた先駆者的存在でもある。その独創性が遺憾なく発揮されたのが、今回の新作「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」である。 

そもそも、薄型ムーブメントのエキスパートであるピアジェは、厚さ4.6mmの薄型トゥールビヨンキャリバー「670P」を搭載したケース厚7.3 mm の極薄トゥールビヨン「アルティプラノ」を現在もラインアップしている。今回の新作は、ピアジェの技術の確かさが次のステージに進んでいることを証明するコンセプトモデルである。

トゥールビヨンを驚異の薄さに進化させたのは、思いもかけない技術だ。ブリッジを持たないフライングトゥールビヨンは、普通は側面から固定されていて、その分の厚みは解消できない。これを、下部からではなく外周からセラミック製ボールベアリングで固定するという方法を考案したのである。

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アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン/ケース厚わずか2mmにトゥールビヨンを搭載した逸品。手巻き、コバルト合金製(ブルーPVD加工)ケース、ケース径41.5㎜、パワーリザーブ約40時間、2気圧防水。価格・発売時期未定

実はピアジェは、2018年に同じ2mm厚のトゥールビヨンではない「アルティプラノ アルティメート コンセプト」を発表している。あまりの薄さに実用化を疑う声すら上がったこのコンセプトモデルは2年後に商品化。そして同年、GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)で金の針(エギーユ・ドール)賞の栄冠に輝いている。

今回の「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、それと同じ薄さでトゥールビヨンを搭載する、という試みなのである。これがどれだけ困難であったかは想像に難くない。部品の流用もほとんどが難しく、90%以上が再設計された。機構の最終決定までに、トゥールビヨンキャリッジが70種類以上、アンクルが15種類以上、 ケースフレームが30種類以上の改良を重ねた。

サファイアクリスタルの厚みは文字盤側で0.20mm、裏蓋側では0.16mmにまで抑えられたこの時計。テンプのリムも0.2mm厚であり。これらを製作する機械は0.002mm=約2ミクロンの精度が要求された。しかもパワーユニットの主ゼンマイをカスタムメイドし、ピボットの代わりにボールベアリングの採用で摩擦を軽減して効率を上げ、40時間以上のパワーリザーブを確保した。あらゆるマイクロエンジニアリングの粋を駆使して、この奇跡的なトゥールビヨンは完成したのである。

しかも、これだけの技術を駆使したコンセプトモデルでありながら、「アルティプラノ アルティメート コンセプト」はどこまでも美しい姿を見せる。最も優れた腕時計は、最も美しくなければならない。ピアジェ創業者が提唱し現在に至るモットー「常に必要以上に良いものをつくる」は、この時計にも生きているのである。

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横から見た「アルティプラノ アルティメート コンセプトトゥールビヨン」。機械式腕時計、しかも複雑時計の非凡なシルエットは、まさに超絶技巧を感じさせる。

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「ウォッチズ&ワンダーズ2024」現地の様子をお届け! 

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